前輪駆動の廉価版も登場 レクサスRZへ試乗 静的・動的な質感は上々 航続距離がネック

公開 : 2025.04.04 19:05

現実的な航続距離は270km前後

試乗では、レクサスが開発中のバイワイヤ・ステアリングも試させていただいた。ワンモーション・グリップと呼ばれるシステムで、ロックトゥロックは1回転以下の150度。思い切り切り込むような場面でも、ステアリング「ヨーク」を持ちかえる必要はない。

機械的にステアリングホイールとフロントタイヤは繋がっていないが、興味深いことに、手のひらへ伝わるグリップレベルは、通常のステアリングより多い印象だった。精度は5%ほど落ちるということだが、SUVなら許容範囲といえるだろう。

レクサスRZ 450e タクミ(英国仕様)
レクサスRZ 450e タクミ(英国仕様)

駆動用バッテリーの容量は、64.0kWh。現在のこのクラスでは、小さい側にあることは否定できない。カタログ値の電費は5.4-5.9km/kWhで、モデルYへ迫る数字といえるが、航続距離は437kmと長いわけではない。

20インチ・ホイールを選ぶと、405kmへ更に短くなる。現実的な数字は、エアコンをオンにした状態で270km前後といっていい。また、モニターへ表示される予想航続距離は、若干精度が低い様子。急速充電も最大150kWと、同クラスでは遅い側にある。

前輪駆動のRZ 300eの航続距離は、カタログ値で最長474km。車重は2055kgから1995kgへ軽くなる。

好印象なマナー 個性的な見た目や内装も強み

レクサスらしく、路上では好印象なマナーを披露するRZ。個性的なスタイリングや、インテリアの質感も、強みと呼べるだろう。反面、該当するクラスにはより長い航続距離を備え、短時間で満充電にできるライバルが多数存在する。

快適性や上質な走りを重視するなら、RZの充足度は低くない。航続距離を気にするなら、前輪駆動を選びたいところだ。

レクサスRZ 450e タクミ(英国仕様)
レクサスRZ 450e タクミ(英国仕様)

◯:上位グレードの内装 実用的な後席 パワフルでスムーズなパワートレイン
△:競合より短い航続距離 フロント側にトランクがない やや高めの価格

レクサスRZ 450e タクミ(英国仕様)のスペック

英国価格:7万3945ポンド(約1442万円)
全長:4805mm
全幅:1895mm
全高:1635mm
最高速度:159km/h(リミッター)
0-100km/h加速:5.6秒
航続距離:405km
電費:5.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2055kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:64.0kWh
急速充電能力:150kW
最高出力:313ps
最大トルク:44.2kg-m
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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