頂点を極めた世代 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7) UK中古車ガイド 総合力はMk8超え?
公開 : 2025.05.02 19:05
新車時代のAUTOCARの評価は?
大幅な進化を遂げつつ、先代の6代目と特徴は殆ど変わらない。製造品質が高く安全性に優れ、強力・高速という強みは他に例がないといっていい。
走り好きの大人を満たす、不足ない速さを披露するゴルフ GTI。燃費に優れ、快適でもある。責め立てても、不安定に転じることは殆どない。(2013年7月10日)

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ポール・ウィルソン氏
「7代目ゴルフ GTIを購入して、1年半で3万2000kmほど走行距離を重ねました。早朝のワインディングでも、長距離クルージングでも、実力を発揮してくれています」

「一緒に暮らす犬のため、ステーションワゴン相当のクルマとして選びました。乗り心地は快適です。ただし、エンジンオイルの消費はかなり多いです。この個体は飛び石傷が多く、サイドシルカバーも割れていました」
「これまでの不調は、エアコンのコンデンサーとコンプレッサー。交換に1100ポンド(約21万円)もかかっています」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
エンジン付近からの異音やパワー不足、色の付いた排気ガス、エンジン警告灯の点灯などは、専らターボチャージャーの不調が原因。初期のMk7に組まれていたIS20ターボは、信頼性が高くない。
稀に破損し、排気系やインタークーラーを傷付ける場合もある。ゴルフ R用のIS38ユニットへの交換がベターだ。

エンジンオイルの消費が多い場合は、ピストンリングの摩耗の他、バルブシールやカムシャフトカバーシールの劣化などが疑われる。定期的にオイルの量は点検したい。ウォーターポンプの不調にも要注意。予防的な交換が吉といえる。
サーモスタットハウジングの下側から、ラジエタークーラントが漏れる場合がある。ただし、純正クーラントには漏れ防止材が含まれており、症状へ気付きにくい。アンダーカバーなどの残留物や、ハウジングの交換履歴を確かめたい。
ホイール
ダイヤモンドカットのアルミホイールは、傷付きやすく修理が難しい。腐食すると、表面がシミのように白くなる。
ボディとインテリア
フロント周りは、飛び石傷をもらいやすい。サイドシルは塗装が傷みやすく、サビることがある。
サンルーフは、シール材が劣化すると雨漏りにつながる。天井の内張りに、水漏れのシミがないか観察したい。雨水が車内へ侵入すると、様々な不調を招く。
知っておくべきこと
Mk7のゴルフ GTIには、クラブスポーツ40など、多くの特別仕様が投入された。際立つ1台をお探しなら、英国ではクラブスポーツSが好適。エンジンは310psへ強化され、リアシートが省かれ、専用サスペンションが組まれている。車重は1360kgと軽い。
史上最高のゴルフ GTIの1台といえるが、右ハンドル車は150台のみ。取引価格もお高い。また、Mk7.5の締めくくりとして、GTI TCRも追加されている。内容はクラブスポーツSには届いておらず、トランスミッションはDSGのみだった。
