頂点を極めた世代 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7) UK中古車ガイド 総合力はMk8超え?

公開 : 2025.05.02 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は?

大幅な進化を遂げつつ、先代の6代目と特徴は殆ど変わらない。製造品質が高く安全性に優れ、強力・高速という強みは他に例がないといっていい。

走り好きの大人を満たす、不足ない速さを披露するゴルフ GTI。燃費に優れ、快適でもある。責め立てても、不安定に転じることは殆どない。(2013年7月10日)

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

ポール・ウィルソン氏

「7代目ゴルフ GTIを購入して、1年半で3万2000kmほど走行距離を重ねました。早朝のワインディングでも、長距離クルージングでも、実力を発揮してくれています」

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)

「一緒に暮らす犬のため、ステーションワゴン相当のクルマとして選びました。乗り心地は快適です。ただし、エンジンオイルの消費はかなり多いです。この個体は飛び石傷が多く、サイドシルカバーも割れていました」

「これまでの不調は、エアコンのコンデンサーとコンプレッサー。交換に1100ポンド(約21万円)もかかっています」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

エンジン付近からの異音やパワー不足、色の付いた排気ガス、エンジン警告灯の点灯などは、専らターボチャージャーの不調が原因。初期のMk7に組まれていたIS20ターボは、信頼性が高くない。

稀に破損し、排気系やインタークーラーを傷付ける場合もある。ゴルフ R用のIS38ユニットへの交換がベターだ。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)

エンジンオイルの消費が多い場合は、ピストンリングの摩耗の他、バルブシールやカムシャフトカバーシールの劣化などが疑われる。定期的にオイルの量は点検したい。ウォーターポンプの不調にも要注意。予防的な交換が吉といえる。

サーモスタットハウジングの下側から、ラジエタークーラントが漏れる場合がある。ただし、純正クーラントには漏れ防止材が含まれており、症状へ気付きにくい。アンダーカバーなどの残留物や、ハウジングの交換履歴を確かめたい。

ホイール

ダイヤモンドカットのアルミホイールは、傷付きやすく修理が難しい。腐食すると、表面がシミのように白くなる。

ボディとインテリア

フロント周りは、飛び石傷をもらいやすい。サイドシルは塗装が傷みやすく、サビることがある。

サンルーフは、シール材が劣化すると雨漏りにつながる。天井の内張りに、水漏れのシミがないか観察したい。雨水が車内へ侵入すると、様々な不調を招く。

知っておくべきこと

Mk7のゴルフ GTIには、クラブスポーツ40など、多くの特別仕様が投入された。際立つ1台をお探しなら、英国ではクラブスポーツSが好適。エンジンは310psへ強化され、リアシートが省かれ、専用サスペンションが組まれている。車重は1360kgと軽い。

史上最高のゴルフ GTIの1台といえるが、右ハンドル車は150台のみ。取引価格もお高い。また、Mk7.5の締めくくりとして、GTI TCRも追加されている。内容はクラブスポーツSには届いておらず、トランスミッションはDSGのみだった。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(Mk7/2013〜2020年/英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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