【世界のコンパクトEVはここまで進んでいる】ヒョンデ『インスター』初試乗!ワールドカーアワード受賞も納得の完成度

公開 : 2025.04.22 11:05

減速を含めた自然なマナーに好感を抱く

フロントに積まれ前輪を駆動するモーターの最高出力は115psで、最大トルクは147Nm。車両重量は1400kgと、EVとしては軽い。なので加速に不満はないし、減速を含めた自然なマナーに好感を抱いた。

パドルで効きを調節できる回生ブレーキのフィーリングも自然。しかもオートモードを選ぶと、前車との間隔に応じて回生のレベルを自動的に変えてくれて、安全であるだけでなく便利でもあった。

ボディサイズが近い軽自動車とは別次元の安定感があるインスター。
ボディサイズが近い軽自動車とは別次元の安定感があるインスター。    山本佳吾

音はタイヤからのノイズは気になるものの、このクラスとしては常識的な範囲。上り坂での加速でもエンジン音が耳障りにならない分だけ、平和ではないかと思えた。

WLTCモードでの満充電航続距離は458km。日産サクラの2.5倍だ。シティラナバウトなのだから、これだけ走れば十分だろう。

試乗したラウンジのホイール/タイヤは17インチで、他のグレードから2インチアップだったが、乗り心地はちょうど良かったし、ハンドリングは身のこなしが軽快で、小柄なボディならではの楽しさを実感した。

欧州向けのインスターは、乗り心地はもっと硬めで、ハンドリングは高速域での安定性を重視したとのこと。日本人の嗜好に合わせて専用チューニングを施したそうで、その成果はしっかり感じ取れた。

もうひとつ実感したのは、ボディサイズが近い軽自動車とは別次元の安定感。太いタイヤが台形ボディの四隅にあって、床下にはバッテリーが敷き詰められているというアドバンテージが、手に取るように伝わってきた。

価格はラウンジで357.5万円と、欧州のコンパクトEVでは太刀打ちできない数字。ベースグレードのカジュアルは284.9万円で、サクラのプライスレンジに入る。

もちろん軽自動車で良いという人もいるだろうが、航続距離以上に、走りのレベルが大きく違う。おまけに日本市場への最適化もきっちり。世界のコンパクトEVはここまで進んでいるんだと、教えられる結果になった。

ヒョンデ・インスター・ラウンジのスペック

全長×全幅×全高:3830×1610×1615mm
室内長×室内幅×室内高:1920×1375×1145mm
ホイールベース:2580mm
トレッド:F1400mm R1415mm
車両重量:1400kg
乗車定員:4名
一充電走行距離:458km
最高出力:85kW(115ps)/5600-13000rpm
最大トルク:147Nm(15.0kg-m)/0-5400rpm
総電圧:310V
総電力量:49.0kWh
駆動方式:前輪駆動
サスペンション:Fマクファーソンストラット Rトーションビーム
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク Rディスク
タイヤ:F&R205/45R17
価格:357万5000円

フロントにモーターを置きフロントを駆動するFFとなる。
フロントにモーターを置きフロントを駆動するFFとなる。    山本佳吾

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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