魅力そのまま「お手頃」に ルノー5 E-テック・アーバンレンジ 122psでも運転が気持ちイイ

公開 : 2025.05.11 19:05

コンセプトカーのイメージそのままの、ルノー5 お手頃なアーバンレンジは122psと40kWhへダウン 航続距離は308kmに 乗り心地は一層快適 運転が気持ちイイ UK編集部が試乗

コンセプトカーのイメージそのまま量産化

幅広い人から、好評を得るコンセプトカーは珍しい。だが、そのイメージを維持したまま、心が奪われるような量産モデルが誕生することは、もっと珍しい。現実性を与える過程で、特別な魅力が薄まってしまうことは少なくない。

新しいルノー5 E-テックは、まさにその珍しい1台。存在したであろう幾多の困難を乗り越えて、我々のもとへ届けられた。

ルノー5 E-テック・アーバンレンジ・エボリューション(英国仕様)
ルノー5 E-テック・アーバンレンジ・エボリューション(英国仕様)

AUTOCARでは、コンフォートレンジ・アイコニックファイブというトップグレードの5へ試乗し、仕上がりを絶賛した。ただし、英国価格は約2万9000ポンド(約566万円)。まだお高いな、というのが現実的なご感想だったかもしれない。

それでは、今回試乗したアーバンレンジ・エボリューションなら? 英国価格は約2万3000ポンド(約449万円)へ落ち、身近な存在に思えるはず。果たして、魅力も削がれていないだろうか。

122psと40kWhへダウン 航続距離は308kmに

コンフォートレンジとの違いは小さくない。駆動用モーターとバッテリーは、150psと52kWhではなく、122psと40kWhへダウングレードされる。その結果、0-100km/h加速は1.1秒遅くなり、航続距離は96km短くなり、9.0秒と308kmがうたわれる。

急速充電も、100kWから80kWへ遅くなる。他方、車重は1449kgから1388kgへ軽くなる。電費は0.3km/kWhほど改善する。

ルノー5 E-テック(英国仕様)
ルノー5 E-テック(英国仕様)

ボディ周りでは、リアウインドウのスモークフィルムが省略。「5」のステッカーと、ボンネット上で光る充電インジケーターが省かれる。ヘッドライトのグラフィックも異なり、塗装はソリッド・グリーンの1択。メタリックカラーは、すべてオプションだ。

それでも、見た目はちゃんとかっこいい。アルミホイールだって履いている。

モニターは縮小 アームレストやカーナビが省略

インテリアでは、10.1インチのタッチモニターが備わるものの、インフォテインメント・システムにはグーグルのカーナビが実装されない。これには、充電計画機能が備わり便利だった。メーター用モニターも、10.3インチから7.0インチへ縮小する。

アームレストとカップホルダーは姿を消し、シートのデニム風クロスは、一般的な素材へ置換。プラスティック製のダッシュボードやドアパネルには、ソフトパッドが備わらない。クルーズコントロールも、先行車へ追従するアダプティブ機能を失う。

ルノー5 E-テック・アーバンレンジ・エボリューション(英国仕様)
ルノー5 E-テック・アーバンレンジ・エボリューション(英国仕様)

運転支援システムを、ボタン1つでオフにできる使い勝手は変わらないが、物足りないと感じる人はいらっしゃるだろう。ところが公道へ出てみれば、想像以上に違いは小さい。むしろ、アーバンレンジの方が好印象かもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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