日常へスッと馴染むSUV 新型 ルノー・シンビオズ(1) 見た目ドイツ風? フルHVのハードを解説

公開 : 2025.08.07 19:05

日常へスッと馴染むSUVが目指された、シンビオズ ドイツ風のシャープなボディライン 後席の位置で調整できる荷室容量 普段使いに充分な動力性能 軽快な操舵感でキビキビ UK編集部が試乗

目指すは日常へスッと馴染むSUV

ルノーはバッテリーEVへの橋渡しとして、ハイブリッド(HV)技術へ注力してきた。マイルドHVにプラグインHV、フルHVという3種類を擁するが、特に重点を置いているのが後者。もちろん、新しいシンビオズの動力源にもなっている。

該当クラスには、プジョー2008日産キャシュカイ(旧デュアリス)などライバルが多く、競争は厳しい。これまで以上の効率性や実用性など、総合的な実力が求められる。そんな中でシンビオズは、日常へスッと馴染むSUVが目指されたという。

ルノー・シンビオズ E-テック145 アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)
ルノー・シンビオズ E-テック145 アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)

トリムグレードは、英国ではテクノ、テクノ・エスプリ・アルピーヌ、アイコニック・エスプリ・アルピーヌの3種類。18インチ・アルミホイールにグーグルの技術を利用したインフォテインメント・システム、ツインモニターなどが共通で備わる。

ドイツ風のシャープなボディライン

シンビオズのプラットフォームは、ルノーのCMF-Bで、ひと回り小さいキャプチャーと共有する。全長は4413mm、全幅1797mm、全高1575mmというサイズで、空力特性へ配慮し、前面投影面積が抑えられた。

エンジンは、マイルドHVとフルHVの2択。前者は1.3L 4気筒ガソリンターボに、トランスミッション内の電気モーターを組み合わせたもの。後者は、自然吸気の1.8L 4気筒ガソリンに、駆動用モーターとスターター・ジェネレーター(ISG)が組まれる。

ルノー・シンビオズ E-テック145 アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)
ルノー・シンビオズ E-テック145 アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)

スタイリングはシャープなラインで構成され、どこかドイツ風。優れた品質や合理性、高度なデジタル技術、洗練された見た目といった、ルノーが量産車へ掲げる哲学が滲み出ているようにも思う。

「過去には奇抜な方向性へトライしましたが、さほど売れませんでした」。とルノーの上層部は口にするが、軌道修正した結果か、シンビオズはハンサム。細部までこだわりを感じる。ルーフラインが真っすぐ伸び、車内空間も犠牲にはなっていない。

後席の位置で調整できる荷室容量

ドアを開くと、群を抜くほどではないものの、ゆとりある空間が出現する。スライド可能な後席は、平均的な大人2名で丁度良い広さ。オプションのパノラミック・ガラスルーフを装備すると、身長が180cm以上ある人には、少し窮屈かもしれない。

荷室容量は、後席の位置で492Lから624Lまで調整可能。その背もたれを倒せば、1582Lへ広げられる。このクラスでは平均より大きめといえ、床面は高さを調整でき、使い勝手は良いはず。シガーソケットなどは備わらないが。

ルノー・シンビオズ E-テック145 アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)
ルノー・シンビオズ E-テック145 アイコニック・エスプリ・アルピーヌ(英国仕様)

前席側は座り心地の良いシートや、ステレオ用のハードスイッチ類が並んだステアリングホイールなどが好印象。内装のソリッド感も高い。フロントやサイドのピラーが太く、リアウインドウは小さめで、死角は大きいけれど。

最大24種の機能が実装される運転支援システムは、ステアリングホイール上のボタンで操作可能。不要なら、1発でオフにできる。バックカメラは、画質が良くないが備わる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    役職:ソーシャルメディア・エグゼクティブ
    AUTOCARのSNS担当として、X、YouTubeショート、インスタグラムなどの運営を任されている。以前は新聞紙や雑誌に寄稿し、クルマへの熱い思いを書き綴っていた。現在も新車レビューの執筆を行っている。得意分野はEVや中古車のほか、『E』で始まるBMWなど。これまで運転した中で最高のクルマは、フォルクスワーゲンUp! GTI。 『鼻ぺちゃ』で間抜けなクルマだったが、家族の愛犬もそうだった。愛さずにはいられないだろう。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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