フェラーリF80(2) パフォーマンス追求V6 HVの「正解」 歴代以上の壮大な感動はあるか?

公開 : 2025.07.14 19:10

望外に速く公道へ見事に対応 これが「正解」

フィオラノ・サーキットで、ラ・フェラーリより5.0秒もラップタイムを削ったF80。同社の製品マーケティングを率いるマッテオ・トゥルコーニ氏は、魅力度の高いV12エンジンなら、顧客を一層満足させられただろうと認める。

「でも、空力特性は損なわれるでしょう」。とも話す。最高の性能を追求したF80での採用は、見送られたという。「伝統に忠実でなければなりません。これがベストです」。確かに歴代の特別なフェラーリは、モータースポーツとの結びつきが強い。

フェラーリF80(欧州仕様)
フェラーリF80(欧州仕様)

V6ハイブリッドという決断は、電動化へ取り組む姿勢や、ハイパフォーマンス・モデルを現代に生み出そうという意欲を感じるものだ。だが、ハイブリッド・フェラーリの魅力向上を体現したほど、「最高」だといえるだろうか。

歴代一のドラマチックさは、享受できないかもしれない。しかし、499Pのようにサーキットで望外に速く、公道にも見事に対応してみせる。これがマラネロの「正解」なのだと、筆者は理解した。多くのことを考えさせる、ハイパーカーではあるが。

◯:驚愕のサーキットでの速さ 驚くほど快適な一般道での乗り心地 公道用モデルとしての完成度
△:歴代の特別なフェラーリ以上の、壮大な感動はないかもしれない

フェラーリF80(欧州仕様)のスペック

英国価格:310万ユーロ(約5億3320万円)
全長:4840mm
全幅:2060mm
全高:1140mm
最高速度:349km/h
0-100km/h加速:2.2秒
燃費:7.4km/L
CO2排出量:307g/km
乾燥重量:1525kg
パワートレイン:V型6気筒2992cc ツインターボチャージャー+トリプル電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:2.3kWh
最高出力:1200ps(システム総合)
最大トルク:86.5kg-m/5500rpm(エンジンのみ)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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