フェラーリ 初のEVを10月に一部公開、来春正式発表へ ボディは「SUV」タイプ?

公開 : 2025.05.09 06:45

フェラーリは同社初のEVモデルを「3段階」に分けて発表する計画で、まず10月9日にパワートレインを披露するものとみられます。数千kmにわたる公道テストを行い、「楽しい」クルマに仕上がっているとのこと。

3段階に分けて発表

フェラーリは、初のEVモデルについて10月9日に一部情報公開し、来春に正式発表する予定だ。

同社CEOのベネデット・ヴィーニャ氏は第1四半期決算発表で、EVの「技術的な心臓部」の詳細を投資家向けイベントで発表すると述べた。

10月9日にはパワートレインについて発表されると予想されている。
10月9日にはパワートレインについて発表されると予想されている。    AUTOCAR

情報公開は3段階に分けて行われる予定で、最初の10月の発表ではEVの基盤となる部分、特にパワートレインが紹介されると予想されている。

ヴィーニャ氏によると、来年初めにインテリアを披露し、春には完全公開するという。納車は2026年末に開始される見通しだ。

10月は、フェラーリが新型ハイパーカーのF80を発表してからちょうど1年というタイミングだ。F80の納車は今秋に開始予定のため、マラネロにとって特に忙しい時期となるだろう。

フェラーリは2025年内に6車種の新型車を投入する予定で、最近発表された新型296スペチアーレもその1つだ。さらに、ローマとSF90ストラダーレの後継車も今年後半に登場する見込みだ。

初のEVは「楽しい」クルマへ

ヴィーニャ氏は以前、AUTOCARの取材に対し、フェラーリ初のEVはすでに数千kmの公道テストを完了しており、顧客が「存分に楽しめる」ように「正しい方法」で製造すると約束した。

どのようなモデルになるかはまだ詳しくわかっていない。欧州では最近、マセラティレヴァンテのボディを改造したテスト用車両が目撃されている。とはいえ、サイズやシルエットがレヴァンテと似たものになるかどうかは不明である。

EVモデルはプロサングエのようなSUVタイプになる可能性がある。
EVモデルはプロサングエのようなSUVタイプになる可能性がある。    AUTOCAR

注目すべきは、プロサングエの開発時にレヴァンテをベースとしたプロトタイプを製作し、テスト走行を行っていたことだ。両車は根本的に異なるモデルであるが、最低地上高が高いことや後部座席を備えていることなど、類似点はいくつかあった。

ヴィーニャ氏は新型EVについて、フェラーリの既存顧客と新規顧客の両方にアピールできるだろうと述べた。

「特に決まったパターンというものはありません。人々がフェラーリを買うのは、とても楽しいからです。A、B、C、D、あるいは単一の要素が理由でフェラーリを買うのではありません。さまざまな要素が組み合わさっているのです。当社は適切な方法でEVを作ります」

「プロトタイプはすでに数千kmを走行しており、また当社には非常に優秀な顧客、つまりテストドライバーがいます。フェラーリの最初の顧客はテストドライバーです。彼らは運転経験が豊富で、クルマ同士を容易に比較することができます。これは当社にとって重要な指標となります」

ロイター通信の報道によると、新型EVの価格は50万ドル(約7200万円)からで、2台目のEVモデルもすでに開発が始まっているとのことだ。しかし、ヴィーニャ氏はこの報道を「驚き」だとして、「車両価格を決めるのは、発売の1か月前です」と述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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