【イタリア車乗り待望の1台】新型ランチア・イプシロンに渡辺敏史が初試乗!ついにどんなクルマかが明らかに

公開 : 2025.07.29 12:05

より電気仕掛けで走ってる手応え

e-DCTの走りは既に前述のフィアット600ハイブリッドやアルファ・ロメオジュニアなどで体感していたが、新型イプシロンのそれは端的にいって、単独走行もしくはアシスト走行などモーターの加わる域が明らかに広い。つまりこちらの方が、より電気仕掛けで走ってる手応えが強く感じられる。

ホイールベースも若干長く、重量も嵩み空気抵抗も大きいSUV系のMHEVにはモアパワーが求められるのに対して、新型イプシロンのMHEVはひと回り小さく軽い普通のBセグメント用に最適化されているがゆえ、モーターの出力を高めて稼働機会を増やしていると考えられる。日本には未導入ながら、同じパワートレインを積む208やコルサも恐らくは同じようなドライブフィールだろう。

フロントの細い3本のライトは『カリーチェ』と呼ばれ、他のランチアでも採用されるはずだ。
フロントの細い3本のライトは『カリーチェ』と呼ばれ、他のランチアでも採用されるはずだ。    中島仁菜

中間域にグッとトルクの実が詰まったような応答性のパワートレインに件のフットワークという新型イプシロンのキャラクターは、突出した刺激はなくも、過ごした時間に比してじわじわと旨味が増していく、そんな類なのではないかという気がする。

思えばテージスやテーマといった往年のランチアたちにもそんな一面があった。そういう意味で、ランチアの名脈は新型イプシロンも活き続けることになるのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 撮影

    中島仁菜

    Nina Nakajima

    幅広いジャンルを手がける広告制作会社のカメラマンとして広告やメディアの世界で経験を積み、その後フリーランスとして独立。被写体やジャンルを限定することなく活動し、特にアパレルや自動車関係に対しては、常に自分らしい目線、テイストを心がけて撮影に臨む。近年は企業ウェブサイトの撮影ディレクションにも携わるなど、新しい世界へも挑戦中。そんな、クリエイティブな活動に奔走しながらにして、毎晩の晩酌と、YouTubeでのラッコ鑑賞は活力を維持するために欠かせない。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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