新Q5よりすべて優秀 アウディSQ5 3.0(1) V6で367ps ちゃんと「スポーツ」なハードを解説

公開 : 2025.08.04 19:05

新世代へ生まれ変わったSQ5 3.0L V6のマイルドHVで367psと56.0kg-m アグレッシブさは控えめなボディ Q6 E-トロンと同等の内装 操縦性と快適性がバランス UK編集部が試乗

Q5よりすべての面で優れるSQ5

アウディの売れ筋モデルの1つ、Q5が新世代へ交代した。実のところ、そちらの進化度はさほど大きくない様子。ところがSQ5は、先代から遥かに輝きを増している。同ブランドが提供するバッテリーEVの「S」より、遥かにスポーツしている。

例えば、新しいS6 E-トロンはA6 E-トロンより確かに速い。だが、それ以上の特徴が弱いことは否定できない。航続距離は縮まってしまう。これと対象的に、SQ5はQ5よりすべての面で優れるといっていいだろう。

アウディSQ5 3.0 TFSI ローンチエディション(英国仕様)
アウディSQ5 3.0 TFSI ローンチエディション(英国仕様)

これまで通り、ベースはQ5。RSを名乗る仕様ほど、突き詰めた内容ではない。

ニュルブルクリンクでスポーツサルーンを追い回せるような、敏捷なSUVとまではいえない。だが休日の運転も楽しめる、実用的でシーンを問わない上級ファミリーSUVをお考えなら、検討候補の上位へ加えてみてはいかがだろう。

適度にスポーティ アグレッシブさは控えめ

スタイリングは、2025年のアウディ・スタイルの典型例。お決まりのシングルフレーム・グリルと、切れ長のヘッドライトでフロントマスクは構成される。高い位置のショルダーラインがストレートに伸び、いかにもSUVらしいシルエットだ。

あえて触れたいのは、平行四辺形でレッドのロゴが復活したこと。一時的にこの採用は見送られていたが、本当の「S」だと主張するように、テールゲートへ与えられている。

アウディSQ5 3.0 TFSI ローンチエディション(英国仕様)
アウディSQ5 3.0 TFSI ローンチエディション(英国仕様)

アルミホイールは21インチで、ブレーキキャリパーはレッド。マトリックスLEDヘッドライトと、4本出しのエグゾーストシステムが標準で備わる。適度にスポーティで、アグレッシブさは控えめ。能力を過度に主張しない、上品な雰囲気が好ましい。

ワゴンボディだけでなく、クーペボディのスポーツバックも用意される。価格は若干上昇し、荷室容量は少し犠牲になるものの、欧州本土ではこちらの方が支持率は高いという。

車内はQ6 E-トロンと同等 疲れ知らずのシート

インテリアは、同クラスのバッテリーEV、アウディQ6 E-トロンと瓜二つ。運転席の正面には、11.9インチのバーチャルコックピット・モニターが据えられ、中央側には14.5インチのタッチモニター。SQ5の場合、助手席側にもモニターが標準で与えられる。

運転席側のモニターは、ステアリングホイール上のボタンで表示を変更できるが、操作はやや複雑。助手席側のタッチモニターでもナビやオーディオの操作は可能で、運転へ忙しい時などには隣人へアシストを頼める。

アウディSQ5 3.0 TFSI ローンチエディション(英国仕様)
アウディSQ5 3.0 TFSI ローンチエディション(英国仕様)

実際に押せるハードボタンは、かなり少ない。エアコンの操作は、中央のタッチモニターで賄われる。画面の下部に常時表示され、反応は素早いが、従来のボタンやノブの方が扱いやすいと感じる人は多いだろう。

ナッパレザーでダイヤモンドステッチ仕立てのスポーツシートが、SQ5の車内のハイライト。座り心地は素晴らしく、長距離でも疲れ知らず。ヒーターとベンチレーションだけでなく、マッサージ機能も実装される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 撮影

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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