やっぱりシンプルがベスト ポルシェ・マカン・エレクトリック(2) 普段の走りで高い満足感

公開 : 2025.09.11 19:10

光る完成度の高さ シンプル・イズ・ベスト

タイヤの影響か、ベースのマカンの静寂性はターボより優れる。110km/hで走行時の車内ノイズは63dBAで、メルセデス・ベンツEQSより僅かにうるさい程度だ。

急速充電は、試したところ165kWから220kWで安定する様子。電費は、普段使いが想定の複合的な条件で7.4km/kWhと優秀。1度の充電で、700km近く走れる計算になる。

ポルシェ・マカン・エレクトリック(英国仕様)
ポルシェ・マカン・エレクトリック(英国仕様)

ベンチマーク水準ではなくても、完成度の高さが光るマカン・エレクトリック。パワートレインの個性は薄味ながら、走りの頼もしさや一体感は、いかにもポルシェらしい。

好バランスな操縦性や無駄のない姿勢制御、情報量の確かなステアリングなど、訴求力は高い。古くからのブランドファンでも、楽しいと思えるはず。特に後輪駆動版は。シンプル・イズ・ベストは、ここでも通用するようだ。

◯:後輪駆動版は、間違いなく運転の魅力度が高い 高品質で居心地の良い車内空間
△:エンジン版と比較すると、車重の影響が拭えない走り 低速域で硬めの乗り心地

ポルシェ・マカン・エレクトリック(英国仕様)のスペック

英国価格:7万3612ポンド(約1458万円/試乗車)
全長:4784mm
全幅:1923mm
全高:1622mm
最高速度:220km/h以上
0-100km/h加速:5.7秒
航続距離:535-640km
電費:4.9-5.9km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2220kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:95.0kWh
急速充電能力:270kW(DC)
最高出力:339ps(ローンチコントロール時:360ps)
最大トルク:57.2kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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