「今日の発展はなかった」 アーノルトMG ドロップヘッド・クーペ(2) リムを握る力は抜けない

公開 : 2025.09.27 17:50

トリノの自動車メーカー全体へ活気を与えた

量産されるライバルへ並ぶ価格だったら、アーノルトMGはもっと売れていただろう。MGは1955年にMGAを発売するが、同等の洗練度に達したのは、1960年代のMGBになってから。恐らく、数100ドル安ければ可能性はあったはず。

実際は、満足いく利益が生まれることはなく、他の事業から資金の借り入れは続いた。それでも、スタンレーはイタリアン・コーチビルド・モデルへの興味を絶やすことはなかった。アルファ・ロメオがコンセプトカーのBAT 5を発表すると、買い取ったほど。

アーノルトMG ドロップヘッド・クーペ(1953〜1954年/北米仕様)
アーノルトMG ドロップヘッド・クーペ(1953〜1954年/北米仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ベルトーネ社のヌッチオ・ベルトーネ氏は1963年の講演で、1950年代に事業が揺らぐ中、スタンレーとのビジネスが救済になったと認めている。トリノの自動車メーカー全体へ、再び活気を与えることへ繋がったと振り返ってもいる。

「われわれの事業へ、彼は多くの貢献をしました。得意とすることが、国内では充分に理解されていませんでしたが、彼はすぐに理解してくれたんです。あれがなければ、今日の発展はなかったでしょう」

協力:ガレージスティ社

アーノルトMG ドロップヘッド・クーペ(1953〜1954年/北米仕様)のスペック

英国価格:3145ドル(新車時)/15万ポンド(約2970万円/現在)以下
生産数:37台(ドロップヘッド・クーペのみ)
全長:4064mm
全幅:1524mm
全高:1397mm
最高速度:120km/h
0-97km/h加速:23.0秒
燃費:8.9km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:949kg
パワートレイン:直列4気筒1250cc 自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:54ps/5200rpm
最大トルク:8.6kg-m/2600rpm
ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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