500馬力のレトロな高級車 ロールス・ロイス『コーニッシュ』の最新レストモッド公開 英ハルシオン

公開 : 2025.09.12 17:05

英国の新興企業ハルシオンが、ロールス・ロイス・コーニッシュおよびシルバーシャドウをベースとするレストモッドを公開しました。自社開発の800V電気システムとソフトウェアを採用し、高出力と急速充電を実現しています。

車重はオリジナルと変わらず

英国に拠点を置く新興企業ハルシオン(Halcyon)は、ロールス・ロイスの『コーニッシュ』と『シルバーシャドウ』をベースにした新しいレストモッド車を発表した。往年のクラシックカーを、自社開発の高電圧システムで電動化したものだ。

後期のラバーバンパーモデルをベースに、最高出力約200psの6.75L V8エンジンからリア搭載の電気モーターに変更。スタンダードレンジ仕様は約400ps、ロングレンジ仕様は約500psを発生する。

ロールス・ロイス・コーニッシュのレストモッド
ロールス・ロイス・コーニッシュのレストモッド    ハルシオン

ボンネット下には、元のエンジンと同じV字形状の大型バッテリーが搭載され、リアエンドにも燃料タンクの代わりに2基目のバッテリーが設置される。この構成により、元のパッケージングと重量配分は変わらず、車両重量2.2トン(前後重量配分53:47)を維持しているという。

ハルシオンによれば、スタンダードレンジ車の航続距離は約320~400km、ロングレンジ車で400~480kmを実現するとのことだ。

800V電気アーキテクチャーを採用し、最大230kWの急速充電に対応。10~80%の充電を約40分で完了できる。

電気系統とそれを制御するソフトウェアは、ハルシオンの兄弟会社であるイーバイス(Evice)が開発・供給したものだ。両社の共同創業者兼CEOのマシュー・ピアソン氏は、これにより開発の自由度が大幅に高まったとしている。

性能を最大限に引き出すため、ドライブ、スピリテッド、ツーリングの3種類の走行モードが用意されている。

ピアソン氏は、「スピリテッドではスロットルレスポンスがやや鋭くなり、パッシブダンパーとアクティブダンパーも若干硬くなります。ツーリングでは、高速道路でクルーズコントロールを有効にするとダンパーが緩み、まるで雲の上を走っているような感覚になります」と説明する。

電気系統は既製品の寄せ集めではなくハルシオンの自社開発であるため、「車両の挙動を極めて精密に制御できる」という。

アナログな雰囲気を残す

デザインとしては、伝統的な外観を維持しつつ、モダンで利便性の高いインテリアを採用した。例えば、ワイヤレス接続のアップル・カープレイやバックカメラを備えるが、これらの機能を表示する画面はボタン1つで隠すことができる。

インストゥルメント・パネルにはアナログメーターを装備し、残りの航続距離やバッテリー充電レベルなどの重要情報を表示する。ハルシオンはまた、内装材の品質とカスタマイズ性においても、新車のロールス・ロイスと同等の水準を謳っている。

ロールス・ロイス・コーニッシュのレストモッド
ロールス・ロイス・コーニッシュのレストモッド    ハルシオン

総生産予定台数は60台で、コンニッシュのクーペとコンバーチブル、そしてシルバーシャドウのセダンを対象としている。価格はドナーカー代(状態の良い個体で約5万ポンド=約1000万円)と税金を除いて約40万ポンド(約8000万円)からとなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事