解体間近の希少なクラシックカー 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.09.21 11:05

シボレー・スタイルラインの木

嵐の日にこの木の下に立っていたら、頭上にエンジンが落ちてくるかもしれない。こちらは1952年製シボレー・スタイルライン・デラックスの2ドア・セダンで、エンジンルームに生えた木の大きさから判断すると、少なくとも40年は同じ場所に放置されていたと思われる。

シボレー・スタイルラインの木
シボレー・スタイルラインの木

ヘンリーJ

ジャンクヤードの中でヘンリーJが見つかるのは珍しい。通常は高速道路沿いのポールに掲げられ、広告として使われているからだ。ヘンリー・J・カイザー氏の発案によるヘンリーJは、数十年前のモデルT(T型フォード)のように、平均的な米国人が手に入れられる価格帯で設計された。コスト削減のため、ボディパーツは最小限に抑えられ、初期モデルにはトランクの開閉機構すらなかった。生産期間は1950年から1954年まで。

ヘンリーJ
ヘンリーJ

AMCマーリン(1967年)

この20エーカーの敷地には、超希少なAMCマーリンをはじめ、素晴らしい逸品が所狭しと並んでいた。1967年にこの独特なスタイルの2ドア・ファストバックを購入したのは、わずか2545人。その結果、AMCは失敗作と判断してラインナップから外してしまった。

AMCマーリン(1967年)
AMCマーリン(1967年)

キャデラック(1951年)

どうやらこの1951年製キャデラックは、1980年代初頭に地元の音楽バンドがツアーバスとして使っていたらしい。ライブ会場への移動手段としては実にスタイリッシュだ。バンドメンバーと機材を一度に運べるクルマはそう多くないが、全長224.5インチ(約5.7m)のクルマもまた稀だろう。ボンネットは開いた状態で固着しており、ヤードのオーナーは損傷を恐れて無理に閉じようとはしなかった。

キャデラック(1951年)
キャデラック(1951年)

キャデラック・セダン・ドゥビル(1956年)

こちらもキャデラックだが、ボンネットの問題はもっと深刻だ。事故の痕跡は見当たらないのに、なぜこんな状態になったのか不思議である。V8エンジンが脱走できてしまうほど、隙間が広く開いている。ハーレー・アール氏設計の1956年製キャデラック・セダン・ドゥビルは4万1000台以上が生産された。

キャデラック・セダン・ドゥビル(1956年)
キャデラック・セダン・ドゥビル(1956年)

シボレー・ステーションワゴン(1956年)

この1956年製シボレーの2ドア・ワゴンで、凹んでいないパネルは運転席ドアだけだった。シボレーの1950年代の国内販売は絶好調で、10年間のうち8回も販売台数トップを獲得した。ライバルのフォードが首位を奪ったのは1954年と1957年だけで、それも僅差だった。

シボレー・ステーションワゴン(1956年)
シボレー・ステーションワゴン(1956年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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