トヨタ博物館の至宝 34選(前編) 黎明期を駆けた名車
公開 : 2025.07.19 18:25
愛知県長久手市にあるトヨタ博物館には、トヨタ車をはじめ、世界各地の名車が数多く動態保存されています。クルマ好きには必見のスポットと言えるでしょう。今回はその見どころをほんの一部だけ紹介します。
もくじ
ー世界各地から集められたコレクション
ートヨダAA型(1936年)
ーパナール・エ・ルヴァッソール・タイプB2(1899年)
ースタンレー・スチーマーE2(1909年)
ーキャデラック・モデル30(1912年)
ーイスパノ・スイザ32CV H6b(1928年)
ーブガッティ・タイプ35B(1927年)
ー筑波号(1935年)
ーダットサン11型フェートン(1932年)
ーランチア・アストゥーラ(1936年)
ーコード812(1937年)
ーパッカード・トゥエルブ(1939年)
ーチシタリア202(1947年)
ータッカー48 “トーピード” (1948年)
ートヨペットSA型(1951年)
ートヨペット・クラウンRS(1955年)
ートヨペット・クラウンRS(1955年) - 続き
世界各地から集められたコレクション
トヨタ博物館で保存されているのは、単にトヨタの旧車だけではない……。
東京から新幹線で100分、名古屋市の郊外にあるこの博物館は、自動車の歴史と文化を称える施設だ。

欧州、米国、日本の自動車が、黎明期から持続可能な未来の探求に至るまで、さまざまな時代のアイデアや技術の変遷を示すタイムラインに沿って展示されている。
2階建ての館内には、約150台の自動車が展示されており、最近、おもちゃのクルマ、当時のポスター、パンフレットなど、多様な資料を展示する素晴らしい文化ギャラリーも追加された。今回は、そんなトヨタ博物館の見どころとなる展示をいくつかご紹介しよう。
(翻訳者注:展示内容は取材時のものです。現在の展示とは異なる場合があります。)
トヨダAA型(1936年)
1936年のAA型は、トヨタの原点ともいえるクルマだ。このクルマが登場するまでは、トヨタ(正確には豊田自動織機製作所)は自動織機を製造していた。創業者である豊田喜一郎(1894-1952)の指揮の下、当時の米国の自動車を参考にし、デソート・エアフローのエアロデザインを彷彿とさせるボディを採用。3.4LのOHV直列6気筒エンジンを搭載した。
この車両はレプリカで、現存する設計図から完全にリバースエンジニアリングして再現したものだ。オリジナル車はオランダにあるロウマン博物館に1台だけ残っているが、劣化が著しい。

パナール・エ・ルヴァッソール・タイプB2(1899年)
自動車黎明期のギャラリーには、1899年に製造されたパナール・エ・ルヴァッソール ・タイプB2が展示されている。これは、フロントエンジン、リアドライブのレイアウトを採用した最初の乗用車だ。
パナール・エ・ルヴァッソールは4気筒エンジンとステアリングホイールも導入し、1894年にパリからルーアンまでの世界初の自動車レースに出場した。

スタンレー・スチーマーE2(1909年)
このギャラリーには、1909年のスタンレー・スチーマーE2も展示されている。米マサチューセッツ州出身の双子の兄弟、フリーランとフランシス・スタンレーは、写真乾板を製造していたが、コダック社に事業を売却した後、蒸気自動車事業に参入した。
スタンレー・スチーマーは1906年に時速127マイル(約204km/h)の陸上速度記録を樹立したが、急速に進歩する内燃機関自動車に押され、スタンレー社は1924年に倒産した。































