進化を続ける日産eパワー!世界初コールドスプレー工法を用いたバルブシート採用【自動車ニュースを読む】

公開 : 2025.10.20 07:05

世界の自動車を技術でリードしてきた

バルブシート技術のひとつに、既に実績も数多い、粉末金属を材料融点以上で溶融接合させるレーザークラッド工法が存在する。しかしコールドスプレー工法は、材料融点以下の温度で異種の金属粉末を超音速で吹き付けて、強固な被膜を形成させる。

それによって、施工被膜と基材の界面での金属間化合物の過剰生成や基材が溶融することで発生する微小な空洞形成(ポロシティ)といった現象も抑えられるため、結果的に高い熱伝導率を実現してバルブまわりの冷却性も向上する。

今回のコールドスプレー工法導入に限らず、自動車は常に各種改良が続けられ進化している。
今回のコールドスプレー工法導入に限らず、自動車は常に各種改良が続けられ進化している。    日産自動車

つまりコールドスプレー工法は、レーザークラッド工法と比較してバルブシート付近の材料特性が好ましく熱が良く伝わり冷却性も向上。バルブまわりにおける異常燃焼などのコントロール性や耐久性等の面でも、STARCコンセプトの進化に貢献している。

さらに、熱伝導性に優れる銅系材料をベースに安定供給が不安視されるコバルトを使わない専用材料の開発、鍛造金型製作の研磨技術を応用した内製ノズルや最新のAI技術による品質保証も実現している。

耐久性や信頼性の面でどの範囲までのエンジンにこのコールドスプレー工法が適用できるのかは不明だが、高コストが課題のレーザークラッド工法に代わる技術としてとても画期的で注目する。

今回のeパワーへのコールドスプレー工法導入に限らず、自動車は常に各種改良が続けられ進化していて、数多くの『世界初』技術を実現してきた伝統の自動車メーカーである日産の今後に期待が持てます!

記事に関わった人々

  • 執筆

    橋爪一仁

    Kazuhito Hashizume

    ジャーナリスト。自動車業界を経て現在はアビームコンサルティング(エグゼクティブ・フェロー)。企画業務を中心に自動車のブランド・オリジナリティ時代におけるCASE、DX×CX、セールス&マーケティング、広報、渉外、認証、R&D、工場管理、生産技術、製造等の幅広い領域を研究、アドバイザー業務を中心に活動中。特に自動車を経済と技術の側面から分析するのが専門。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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