「物語の重要チャプター」50周年 フェラーリ308 GTSでトリノへ(1) パワー回復のQV

公開 : 2025.11.01 17:45

パワーを回復した後期のクワトロバルボーレ

308 GTSの登場は1977年。スチールボディへの変更と、ほぼ同じ時期だった。更に4年後には、北米の排気ガス規制へ対応するべく、燃料噴射と電子制御点火を採用。エンジンもウェットサンプ化され、308 GTBiやGTSiと呼ばれた中期型へ入れ替わる。

ファンを落胆させたのがパワーダウン。欧州仕様は217ps、北米仕様では208psへ削られていた。だが今回の308 GTSは、1982年に入れ替わった後期のクワトロバルボーレ。4バルブヘッドで強化され、欧州仕様は243ps、北米仕様も233psへ回復している。

フェラーリ308 GTS クワトロバルボーレ (1982〜1985年/英国仕様)
フェラーリ308 GTS クワトロバルボーレ (1982〜1985年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

クワトロバルボーレでは、ボンネットにスリムなルーバーが与えられ、ドアミラーにはフェラーリのロゴがあしらわれた。ステアリングホイールとセンターコンソールも更新され、見た目でも後期型を主張している。

大人2名、数泊分の荷物を押し込める荷室

機材を運ぶため、カメラマンのステーションワゴンと2台態勢で旅立ったが、308の荷室には大人2名、数泊分の荷物を問題なく押し込める。ルーフパネルを外したままでも、シートの後方へ柔らかいバッグなら滑り込ませられる。

高速道路を快調に飛ばし、日暮れ前にフランス南東のヴィジーユへ。この場所で1788年に開かれた会議は、フランス革命の発端となった。早朝からD1091号線を東へ向かうアルプス山脈超えの拠点として、理想的な宿泊場所だろう。

フェラーリ308 GTS クワトロバルボーレ (1982〜1985年/英国仕様)
フェラーリ308 GTS クワトロバルボーレ (1982〜1985年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

連なるカーブを穏やかに流せば、歴史的な重要性は殆ど意識させない。穏やかで美しい。308 GTSを運転する筆者とは、対照的。ステアリングにはアシストがなく、腕が疲れる。後方視界は限られ、狭い環境は得意ではない。広い道が恋しくなる。

この続きは、フェラーリ308 GTSでトリノへ(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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