ついに公道テスト開始 ベントレー初のEV、全長5m以下「アーバンSUV」 来年正式発表

公開 : 2025.09.25 07:05

ベントレーが2027年発売予定の「アーバンSUV」の公道テストを開始しました。同社初のバッテリーEVで、現行ラインナップの中では最もコンパクトなサイズとなり、ベンテイガの下位に位置付けられます。

欧州で試作車発見 カイエンとの関連性は?

ベントレー初のEVが、カメラの前に姿を現した。欧州の公道でプロトタイプによるテスト走行を実施しており、順調に開発が進めば来年に正式発表される予定だ。

新型EVは「世界初の真のラグジュアリー・アーバンSUV」と称され、全長5m未満とベントレーの現行モデルの中では最もコンパクトなサイズとなる。2026年半ばにデビューし、2027年第2四半期から納車が始まる見込みである。

欧州の公道でテスト走行中のプロトタイプが目撃された。(画像はベンテイガ)
欧州の公道でテスト走行中のプロトタイプが目撃された。(画像はベンテイガ

今回撮影された画像では、SUVのシルエットが初めて確認できた。そのボリューム感のある表面処理、堂々としたプロポーション、比較的低い車高には、7月に公開されたコンセプトカー『EXP 15』の影響が色濃く表れている。

ベントレーは新型車の詳細をまだ公表していないが、ポルシェアウディが共同開発したEV用プラットフォーム『PPE』の派生版をベースとするため、ポルシェ・カイエン・エレクトリックとは密接な関係にあると予想される。

新型カイエン・エレクトリックはデュアルモーター/四輪駆動パワートレインを採用し、ベースグレードで400ps、最上位グレードでは805ps(ローンチコントロール使用時は約1000psに上昇)を発揮する。108kWhのバッテリーを搭載し、最も効率の良い仕様では最大600kmの航続距離を実現すると推定される。急速充電は最大400kWに対応する。

両車がどの程度共通化されているかは未確認だが、カイエン・エレクトリックの全長は5m弱で、ベントレーのEVとほぼ同サイズであることから、関連性はかなり高いと見られている。

ベントレーはEV戦略の見直しを発表したばかりだ。この「アーバンSUV」のプロトタイプが目撃されたのは、同社CEOのフランク=シュテフェン・ヴァリザー氏がAUTOCARに対し方針転換の影響を語った翌日のことだ。

ヴァリザー氏は、2026年から毎年、新型PHEVまたはEVを投入する計画を維持しつつ、成長が緩やかな高級EV需要に対応するため、パワートレインのバランスを取っていくと述べた。

「高級EVの需要には落ち込みが見られ、顧客のニーズはまだ完全電動化戦略を支えるほど強くありません。高級車市場は、当社がBeyond100戦略を発表した当時とは大きく状況が異なっています」

「電動化は依然として目標に掲げていますが、顧客ニーズを尊重しながら進める必要があります」

この方針転換により、これまでPHEV専用化が計画されていた現行のベンテイガ、コンチネンタルGT、フライングスパーは、特定の市場では純ガソリンエンジンを搭載する可能性が高くなった。ただし、「アーバンSUV」は完全電動車となり、ベントレー初のEVとして開発が進められている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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