メルセデス・ベンツCLA 250+(2) 遂に薄れたモデル3のアドバンテージ EVを次のフェイズへ

公開 : 2025.10.29 19:10

EVを次のフェイズへ押し上げる意欲作

メルセデス・ベンツにとって画期的なEVといえる、新しいCLA。電費や航続距離、急速充電などをモデル3は強みとしてきたが、それを凌駕する実力を有することは間違いない。もちろん、BMWヒョンデなど、EVへ積極的なメーカーのどんなモデルよりも。

スタイリングは、ブルーノ・サッコ氏の時代ほどに、記憶に残るものとはいえないかもしれない。インテリアも、特別感は少々薄いといえる。近年のメルセデス・ベンツへ求められる特長を、取り戻したとまではいえないだろう。

メルセデス・ベンツCLA 250+ ウィズEQテクノロジー AMGライン・エディション(英国仕様)
メルセデス・ベンツCLA 250+ ウィズEQテクノロジー AMGライン・エディション(英国仕様)

それでも筆者は、技術的にも運転体験でも、2025年に試乗したモデルで最も強い衝撃を受けた。EVを次のフェイズへ押し上げた、といっても過言ではない。

◯:突出した電費と航続距離 速い急速充電能力 乗り心地と操縦性のバランス 走行時の静寂性 運転のしやすさ 扱いやすいインフォテインメント・システム
△:やや特別感の薄いインテリア 狭めの車内空間

メルセデス・ベンツCLA 250+ ウィズEQテクノロジー AMGライン・エディション(英国仕様)のスペック

英国価格:4万9375ポンド(約1007万円)
全長:4723mm
全幅:1855mm
全高:1468mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:6.7秒
航続距離:778km
電費:8.0km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1980kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:85.0kWh
急速充電能力:320kW(DC)
最高出力:271ps
最大トルク:34.0kg-m
ギアボックス:2速オートマティック/後輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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