【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#21 イタ車名物ベタベタ病!

公開 : 2025.10.24 12:05

触らぬ神に祟りなし!

前席周辺で一番ベタベタしているのは、運転席側のドアトリム上部。ここは、どこかの時点で安っぽい塗装が上塗りされたらしく、テカテカのベタベタで、ダッシュボード側面と接する部分は、表面がベロッと剥がれてしまっている。これは通常のベタベタ病とは症状が異なり、後天的なものらしかった。

一方、リアアームレスト内部のベタベタは、典型的なベタベタ病。触るとベタッと指に張り付き、強く触ると黒い汚れが指について取れなくなる(らしい)。こんなところにベタベタ病の巣窟が隠れていたとは……。

「このクルマ、1回ベタベタ処理をしているっぽいな!」
「このクルマ、1回ベタベタ処理をしているっぽいな!」    清水草一

ではなぜダッシュボードの樹脂部はあんまりベタベタしていないのか?

私は道の駅でじっくり眺めてみた。

オレ「安ド、このクルマ、1回ベタベタ処理をしているっぽいな!」

安ド「してますか!」

オレ「してるしてる! ベタベタを剥がしてやり直してるよ! でも、リアアームレスト内側はやらなかったんだ! だからそこが超ベタベタなんだ!」

安ド「(確かめて)うわっ! こりゃベタベタですね! スイッチがこれじゃ、電動リクライニングもシートヒーターも使えませんね!」

オレ「うむ。触らぬ神に祟りなしだ!」

リアシートを使う機会などほぼない。このベタベタはこのまま放置し、ベタベタ病の貴重な標本として後世に伝えよう。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は11月7日金曜日公開予定)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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