2003年:ロールス・ロイスファントム

英国の歴史あるミニブランドを復活させたBMWは、高級車市場でも同様のアプローチをとった。第7世代のロールス・ロイス・ファントムの驚異的な成功により、ラグジュアリーの代名詞である同ブランドの新たな時代を切り開いたのだ。

ファントムは、BMWが設立した新会社、ロールス・ロイス・モーター・カーズの製品だ。6.5L V12エンジンなどはBMWの部品を使用していたが、プラットフォームは専用設計だった。価格は25万ポンド(約5000万円)からで、15年近く生産が続いた。

2003年:ロールス・ロイス・ファントム
2003年:ロールス・ロイス・ファントム

ロールス・ロイスは徐々に製品ラインナップを増やし、成長してきたが、ファントムは今もなおブランドの心臓部である。

2004年:アストン マーティンDB9

2000年代初頭、人気のアストン マーティンDB7の後継車は、数字の順番通りに「DB8」とは命名されなかった。V12エンジンを搭載したグランドツアラーであるにもかかわらず、V8エンジンしか搭載していないと誤解される恐れがあったからだ。そこで、DB9が誕生した。

外観からして、DB9は非常に現代的なアストン マーティンであり、オールアルミ製のVHプラットフォームをベースに、2004年に生産が開始された。その後登場したDB、ヴァンテージ、そしてその他多くのモデルは、すべてこのプラットフォームから派生したものだと言える。

2004年:アストン マーティンDB9
2004年:アストン マーティンDB9

ポルシェの幹部であるウルリッヒ・ベッツ氏がDB9の開発指揮を執り、フォードとプレミア・オートモーティブ・グループの資金力に支えられていた当時の、アストン マーティンの大胆かつ開放的なムードを表している。同社の視野を広げ、未来の方向性を示すものであった。

2005年:ブガッティ・ヴェイロン

フェルディナント・ピエヒ氏の功績は大きい。長年にわたりフォルクスワーゲン・グループのトップを務めた彼は、実験的精神を忘れることなく、ル・マンで2度の優勝を果たしたポルシェ917、極めて空気抵抗の少ないアウディ100(C3)、そして111km/lという超低燃費のフォルクスワーゲンXL1を生み出してきた。

これらの作品だけでも素晴らしいが、称賛に値する数々の技術的偉業の中でも、ブガッティ・ヴェイロンは最も有名で、最も影響力のある存在であり続けるだろう。

2005年:ブガッティ・ヴェイロン
2005年:ブガッティ・ヴェイロン

発売当時、世界最速かつ最強の市販車であり、以後20年間でそれを上回る新型車はごくわずかだった。そのスペックは今なお驚異的だ。8.0L W16エンジン、4基のターボチャージャー、1500ps、最高速度431km/h。

コンコルドや国際宇宙ステーションと並ぶ、時代を象徴する技術的偉業として、ヴェイロンは記憶されるだろう。そして、会社の経理担当者を早めに帰らせた時こそ、真に偉大なものが達成できるという教訓も残した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

21世紀を代表するクルマ 25選の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事