自動車専門誌が選ぶ、21世紀を代表するクルマ 25選(前編) 2000~2010年
公開 : 2025.10.26 11:25
2006年:日産キャシュカイ(日本名:デュアリス)
日産は、いまひとつ販売が振るわなかったハッチバック、アルメーラの後継として欧州市場向けに新型車の開発を始めた当初、コンパクトミニバンに焦点を当てていた。しかし、販売が見込めないことから方向転換を余儀なくされる。
日産のエンジニアは大型SUVの人気が高まっていることに着目し、これをコンパクトなCセグメントにも応用できると考えついた。ファミリーカーである以上、4WD車のようなオフロード性能や頑丈なボディクラッディングは必ずしも必要ではなかった。

開発は日産として初めて、英国クランフィールドの技術センターが主導した。その結果生まれたのは、大型SUVが持つ大径ホイール、高い最低地上高、高いシートポジションを備えつつ、ほとんどの人には不要な、どこでも走れる能力を排除した1台だった。
欧州向けのキャシュカイの生産は英国サンダーランド工場で行われ、1年以内に10万台を売り上げた。競合他社もこれに注目し、今や主要メーカー各社がコンパクトクロスオーバーを投入しているが、その大半は今なお「キャシュカイのライバル」と呼ばれている。
2007年:フィアット500
17年間で250万台以上を売り上げ、昨年ついに生産終了となったフィアット500。デザインはレトロだったが、古臭いわけではない。とても新鮮で、商業的にも大きな魅力を放っていた。500の大成功がなければ、フィアットの経営陣は何年も前に職を失っていたかもしれない。
2007年以前、イタリア最古の自動車メーカーは苦境にあった。経営は振るわず、設計や品質の問題が頻発し、顧客が次々とショールームから離れていった。1990年にイタリア国内市場の半分を占めていたシェアは、2003年までにわずか4分の1にまで落ち込んでいた。

2007年に最小モデル、セイチェントの後継として登場した500には、多くの期待がかけられていた。既存のプラットフォームをコンパクトにまとめ直し、開発費も生産コストも低く抑えられたため、購入価格も手頃だった。なおかつ、レトロモダンな外観とスタイル重視の内装により、それまでAセグメント車にほとんど見られなかったプレミアム感も兼ね備えていたのだ。
1957年のモデルを彷彿とさせる軽快で活気ある走りを実現した500は、まさに万人を惹きつける魅力を備えており、ライバルが登場しては消えていく中でも、その輝きに衰えは見えない。











































