BMWに並んだ英ブランド トライアンフ:1300からドロマイト・スプリントへ紆余曲折(1)

公開 : 2025.11.23 17:45

上級モデルへ進化した1500

1970年発売のトライアンフ・トレドは、2ドアのシンプルな小型車で、サイズは1300の延長といえたが、後輪駆動になった。ブレーキは前後ともドラムで、時代遅れの技術といえた。1300では、前がディスクだったのに。

他方、4ドアは1500に。1493ccエンジンを獲得し、広い荷室を備え、1300より上級モデルへ進化しつつ、こちらは前輪駆動が維持された。スタイリングは同じくミケロッティで、ヘッドライトは4灯になり、左右に別れたフロントグリルが特徴になった。

トライアンフ1500(1970〜1973年/英国仕様)
トライアンフ1500(1970〜1973年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

1300で独立懸架式だったリアサスペンションは、1500では安価なトーションビームへ変更。トライアンフは、収益性の向上へ期待したのだろう。

「快楽主義的な喜び」のインテリア

今回の1500は、ケビン・ハースト氏が所有する1台。当時のAUTOCARは、「家族持ちの男性にとって、高級感だけでなく、快適性でも惹かれるはずです」。と伝えている。

強みといえたのが、「快楽主義的な喜びに満ちている」とトライアンフが主張したインテリア。シガーライターに2段階式ワイパー、リクライニングできるフロントシート、上下・前後に動くステアリングコラムなど、充実した装備が整っていた。

トライアンフ1500(1970〜1973年/英国仕様)
トライアンフ1500(1970〜1973年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

ハーストは、乗り心地が最高だと口にする。「ステアリングは軽く、100km/hで1日中走れます。燃費は10.0km/Lを超えますよ」。とも。

驚くことに、1973年に1500は後輪駆動へ一転。当時にツインキャブレター化され、1500 TCへ改称される。前輪駆動の継続は、費用面でプラスの意味がなくなっていた。

この続きは、トライアンフ:1300からドロマイト・スプリントへ紆余曲折(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・ロバーツ

    Andrew Roberts

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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