わずか7分の充電で160km走行 ベントレーが高級EV公開 2027年納車開始へ

公開 : 2025.11.07 17:05

ベントレーが同社初のEVの仕様を一部公開しました。全長5m未満で、7分の充電で約160km分の航続距離を賄える急速充電性能を備えているのこと。画像ではベンテイガに似たSUVのシルエットが確認できます。

全長5m未満 都市型SUV

ベントレーは、2026年発表予定の同社初のフル電動モデル(EV)に関する仕様を一部明らかにした。わずか7分の充電で約160km走行できるとしており、この充電速度は市場最速クラスとなる。

つまり、このモデルは最大300kWの充電速度を実現する可能性がある。現在英国で最も充電速度が速いEVはロータスエメヤで、最大400kWの充電に対応している。

ベントレー初のEVの予告画像
ベントレー初のEVの予告画像    ベントレー

ただし、この速度を達成するには高性能の充電器が必要だ。英国の平均的な充電器容量は約120kWで、それ以上の速度に対応供できるものはごく一部である。

11月5日の発表ではプラットフォームの詳細は明かされなかったが、このEVはポルシェアウディが開発した『PPE』プラットフォームの派生版をベースとするため、その性能は新型ポルシェ・カイエン・エレクトリックからある程度推測できる。

カイエン・エレクトリックはデュアルモーター/四輪駆動パワートレインを採用し、ベースグレードで400ps、最上位グレードでは805ps(ローンチコントロール使用時は約1000psに上昇)を発揮する。108kWhのバッテリーを搭載し、最大600kmの航続距離を実現すると見込まれる。

両車がどの程度共通化されているかは未確認だが、全長5m弱のカイエン・エレクトリックとベントレーのEVがほぼ同サイズであることから、関連性は高いと予想される。

すでに公道テスト走行を開始

ベントレーCEOのフランク=シュテフェン・ヴァリザー氏は発表の中で、EVを「2026年末頃」に正式発表し、翌年から納車開始予定だと明かした。また、公式画像も初めて公開し、次のように語った。

「ベントレー初の完全電動モデル、世界初の真のラグジュアリー・アーバンSUVであり、大胆な前進を象徴するものです。持続可能なラグジュアリーと技術的卓越性という当社のビジョンを体現しています。業界をリードする充電性能と紛れもないベントレーの個性とデザインを備え、革新、クラフトマンシップ、持続可能性によって定義される未来、ブランドにとってエキサイティングな新時代の幕開けとなります」

ベントレーはすでに公道テスト走行を開始しており、そのプロトタイプも目撃されている。

全長5m未満とベントレーの現行モデルの中では最もコンパクトなサイズで、SUVらしいシルエットが確認できる。ボリューム感のある表面処理、堂々としたプロポーション、比較的低い車高など、デザインには7月公開のコンセプトカー『EXP 15』の影響が色濃く表れている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事