シャープな加速にソフトな乗り心地 BYDシーライオン7 529psの四駆 モデルYは超えず?

公開 : 2025.12.01 18:05

緩い姿勢制御と操縦性 静寂性は悪くない

サスペンションは柔らかく、姿勢制御は緩め。ステアリングホイールは軽く回せるが、リモート感が強い。カーブでは自信を抱きにくく、直進安定性も高くはない。

カーブの出口でアクセルペダルを踏み込むと、リアアクスル側のパワーが高まり、フロントノーズの向きが僅かに変化する。これは、操縦性に優れるシャシーなら好ましいマナーだが、シーライオン7ではスピンするような不安が伴う。

BYDシーライオン7 エクセレンス(英国仕様)
BYDシーライオン7 エクセレンス(英国仕様)

ダンパーの減衰力が弱めで、20インチ・ホイールを履いた試乗車は、路面の不正に対して上下動がやや目立っていた。英国の傷んだ郊外の道では、クルマ酔いを誘いそうだ。高速道路の速度域では、衝撃の吸収性が良くなるが。

穏やかに走る限り、快適ではある。風切り音が控えめで、静寂性は悪くない。

コスパは良い 競合以上の訴求力には疑問

英国価格は、4万6990ポンド(約959万円)から。装備は充実し、前後のシートヒーターや2ゾーンエアコン、無線充電パッド、パーキングセンサーなどが標準で備わる。

4ドアサルーンのシールは、従来のBYDからの進化を感じ取ることができた。シーライオン7は、そこまでではないものの、コスパの良い電動クロスオーバーだといえる。

BYDシーライオン7 エクセレンス(英国仕様)
BYDシーライオン7 エクセレンス(英国仕様)

ただし、運転支援システムとインフォテインメントの仕上りは、充分とはいえない。電費や航続距離は競合を上回らず、乗り心地や操縦性の磨き込みも、もう少し。モデルYアイオニック5を検討する人を振り向かせる、訴求力まではないかもしれない。

◯:高速域でも静かな車内 座り心地の良いシート 鋭い発進加速
△:ソフト過ぎるサス リモート感の強いステアリング インフォテインメント・システムのデザイン 優れない電費 詰めの甘い運転支援システム

BYDシーライオン7 エクセレンス(英国仕様)のスペック

英国価格:4万6990ポンド(約959万円)
全長:4830mm
全幅:1925mm
全高:1620mm
最高速度:215km/h
0-100km/h加速:4.5秒
航続距離:502km
電費:4.5km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2435kg
パワートレイン:誘導モーター(前)+永久磁石同期モーター(後)
駆動用バッテリー:91.3kWh
急速充電能力:230kW(DC)
最高出力:529ps(システム総合)
最大トルク:70.2kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション/四輪駆動

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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