カスタムカー界隈で話題の解体場で見つけた貴重な「廃車」 20選 ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.10.05 11:45

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、戦前のフォード・モデルTからマーキュリー、希少なシボレーなど、今も注目を集めるクラシックカーを紹介します。

米国ミネソタ州が誇るジャンクヤード

事前の承諾なく廃車置き場に押しかけると、どんな対応を受けるかまったく予測がつかない。歓迎して自由に歩き回らせてくれるオーナーもいれば、そうでもない人もいる。

幸い、ミネソタ州マーシャルにある『ダグズ・オートパーツ(Doug’s Auto Parts)』は温かく迎えてくれた。1970年代初頭に事業を始めたオーナーは、わたし達取材班の探索を許可し、好きなだけ見て回っていいと言ってくれた。

ミネソタ州のジャンクヤードで見つけた希少なクラシックカーを紹介する。
ミネソタ州のジャンクヤードで見つけた希少なクラシックカーを紹介する。

ダグズ・オートパーツについて

わたし達が取材で訪問したのは数年前の話だ。その後、このダグズ・オートパーツは閉業してしまった可能性がある。ウェブ上に情報はほとんど残っておらず、グーグルマップで場所を検索すると「閉業」という文字が表示された(翻訳者注:カナダに同名の業者があるようですが、おそらく無関係)。

もし、本当に営業を止めたなら、素晴らしいクラシックカーのコレクションはどうなったのだろうか? 訪問時にわたし達取材班が見つけた、興味深いクルマをいくつか紹介しよう。

ここで紹介するダグズ・オートパーツは、すでに閉業しているかもしれない……。
ここで紹介するダグズ・オートパーツは、すでに閉業しているかもしれない……。

シボレー

このジャンクヤードは大きく2つの区域に分かれていた。まず一般公開されていない現代車エリア。わたし達にはあまり興味のない場所だ。そこでは比較的新しいホンダヒョンデなどを解体する作業がひっきりなしに行われていた。

もう1つは、クラシックカー愛好家が自由に閲覧でき、理想のレストア対象車や部品取り車を見つけられる旧車エリアだ。

シボレー(左から1960年、1962年、1964年)
シボレー(左から1960年、1962年、1964年)

写真の1960年代のシボレー(左から1960年、1962年、1964年)の列の奥に、現代的なクルマが置かれたエリアへの入り口が見える。

ポンティアック・チーフテン(1952年)

この1952年式ポンティアック・チーフテン・コンバーチブルは珍しいクルマであり、状態さえ良ければ価値も高い。しかし、傷んだボディ、ひどく劣化した内装、錆びたフロアなど、修復に挑む勇気ある買い手が見つかる見込みはほとんどなかった。地面に沈み込んだ様子から、何十年もこの場所に放置されていたに違いない。

ポンティアック・チーフテン(1952年)
ポンティアック・チーフテン(1952年)

フォード・モデルA(1930年)

わたし達は戦前のクルマの専門家ではないが、このフォード・モデルAのラジエーター形状(下部が塗装の跡が残っている)から判断すると、おそらく1930年式だろう。つまり、ダグズ・オートパーツが1973年に開業した時点で、すでにクラシックカーだったのだ。この個体には1957年発行のサウスダコタ州のナンバープレートが装着されており、何十年もこの地に留まっていた可能性が高い。

1927年10月から1932年3月にかけて、約500万台のモデルAが生産ラインから出荷された。そのうち1930年だけで116万台が生産されている。

フォード・モデルA(1930年)
フォード・モデルA(1930年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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