70年前の希少ジープも! 茂みに隠れたクラシックカー 20選(後編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.12.14 11:45

AMCレベル(1970年)

AMCレベルは、ランブラー・クラシックの後継車として1967年から1970年にかけて生産された。こちらは1970年式の4ドア・セダンで、最上級グレードのSST仕様である。生産台数はわずか1万3092台と非常に希少だ。レベルは1971年にモデルチェンジを受け、マタドールと改名された。

最も人気が高いのは1970年のみ生産されたマシンという仕様だ。スクープ付きボンネットの下に340psのV8エンジンを搭載し、0-97km/h加速6.3秒、最高速度は240km/hに達した。生産台数はわずか2326台で、現在でも非常に希少価値が高い。

AMCレベル(1970年)
AMCレベル(1970年)

ジープ・ワゴニア(1963年)

若き案内役が教えてくれなかったら、このヤードの奥深くに埋もれた1963年式ジープ・ワゴニアを完全に見逃していただろう。

ワゴニアは29年間(1963~1991年)にわたり生産され続け、単一世代のモデルとしては米国でも屈指の生産期間を誇る。だがもちろん、別の名声もある。世界初のラグジュアリーSUVだったのだ。

ジープ・ワゴニア(1963年)
ジープ・ワゴニア(1963年)

残念ながらこの個体は長い間草むらに放置され、腐食が進んでいる。修復は不可能だが、もちろん有用な部品は残っている。

ウィリス・ジープ・ステーションワゴン

こちらもトレンドセッターの1つ、1950年代中盤のウィリス・ジープ・ステーションワゴンだ。

1946年に登場したこのモデルは、世界初のSUVと広く考えられている。ジープ・ワゴニアの発売に伴い1964年に生産終了となったが、南米では1970年代後半までほぼオリジナルデザインのまま生産が続けられた。

ウィリス・ジープ・ステーションワゴン
ウィリス・ジープ・ステーションワゴン

ランブラー・アメリカン(1965年)

この1965年式AMCランブラー・アメリカンは実に素晴らしいコンディションだ。案内役の話では、この状態でヤードまで自走してきたそうだ。コンパクトなアメリカンは燃費の良さで定評があり、また当時米国で最も安価なクルマでもあった。控えめな220シリーズの2ドア・セダンはわずか1979ドルだったが、この4ドアの330シリーズは数百ドル高かった。

ランブラー・アメリカン(1965年)
ランブラー・アメリカン(1965年)

シボレーインパラ(1961年)

右フロントフェンダーには深刻な腐食の兆候が見られるが、その他の部分は健全そうだ。内装も完全な状態で、ガラスがすべて残っているため、まずまずの状態と言える。1980年代半ばの10年間の休止期間と、1996年から2000年までの休止期間を除けば、フラッグシップモデルであるインパラは1958年から2020年までシボレーのラインナップに存在した。

シボレー・インパラ(1961年)
シボレー・インパラ(1961年)

著者について

英国の自動車ジャーナリスト、ウィル・シャイアーズ(Will Shiers)は過去35年にわたり、廃車となった米国の自動車を撮影し続けている。50州すべてを旅して、納屋、野原、砂漠、ゴーストタウン、ジャンクヤードなどを探検し、隠された宝物を探している。自動車雑誌への寄稿も多い。

これまでの作品を集めた写真集『Roadside Relics-America’s Abandoned Automobiles』の著者でもある。

原文を執筆したウィル・シャイアーズ(Will Shiers)記者
原文を執筆したウィル・シャイアーズ(Will Shiers)記者

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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