世界屈指の施設 フォルクスワーゲン博物館の見どころ(後編) ビートルの原点から名物「カータワー」まで

公開 : 2026.01.03 11:45

ドイツ・ヴォルフスブルクにはフォルクスワーゲンの巨大な自動車博物館『アウトシュタット』があります。世界有数のミュージアムで、数多くの名車を展示しています。本特集ではその見どころを厳選して紹介します。

フォルクスワーゲンK70(1970年)

NSUが設計したK70は、空間の有効活用に重点を置いていた。この設計が転換点となり、フォルクスワーゲンのデザインは空冷式リアエンジンから水冷式前輪駆動モデルへ、また水平対向エンジンから直列エンジンへと移行した。

フォルクスワーゲンK70(1970年)
フォルクスワーゲンK70(1970年)

フォルクスワーゲン・ロメッシュ(1952年)

ロメッシュ(Rometsch)は高級車を専門とするドイツのコーチビルド企業だ。主要メーカーのシャシーをベースに、特注デザインのボディを製作してきた。写真の車両はフォルクスワーゲンのプラットフォームをベースとする最初の本格ラグジュアリーカーの1つであり、その見事なデザインは評価に値する。

フォルクスワーゲン・ロメッシュ(1952年)
フォルクスワーゲン・ロメッシュ(1952年)

フォルクスワーゲンV30プロトタイプ(1937年)

これはビートルではない。ポルシェ・タイプ60をベースにしたV30というプロトタイプであり、これこそがビートルの原点となる1台だ。30台のプロトタイプが製作され、合計約240万kmのテスト走行をこなした。当時の標準的なテスト基準をはるかに超える走行距離である。

フォルクスワーゲンV30プロトタイプ(1937年)
フォルクスワーゲンV30プロトタイプ(1937年)

フォルクスワーゲン・ゴルフ(1977年)

フォルクスワーゲンは1974年にゴルフを発売した。フロントエンジン/前輪駆動の小型車は瞬く間に大ヒットとなり、これまでに累計3700万台以上が生産されている。アウトシュタットのツァイトハウスに展示されているこの初代モデルは1977年製だ。現行世代は8代目(改良後は8.5とも呼ばれる)にあたる。北米では時期によってラビットとも呼ばれている。

フォルクスワーゲン・ゴルフ(1977年)
フォルクスワーゲン・ゴルフ(1977年)

ラリーカーとデザインの名車

AUTOCAR英国編集部が訪問した際、ツァイトハウスの1階では1980年と1982年の世界ラリー選手権王者、ヴァルター・ロール氏の特集が行われていた。上階では不朽の名デザインが展示されていた。

オペル・アスコナ400(1982年)

こちらは1982年にウォルター・ロール氏が2度目の世界タイトルを獲得した際に駆っていたオペル・アスコナ400だ。後輪駆動車でありながら、強力な四輪駆動のライバル車を抑えて偉業を達成した。

オペル・アスコナ400(1982年)
オペル・アスコナ400(1982年)

デロリアンDMC-12(1982年)

ビジネス的観点から言えば、デロリアンDMC-12は決して名車と呼べない。同社はこのモデルを発売しただけで倒産してしまったからだ。

それでも、グラスファイバー製ボディ構造、ステンレス鋼のボディパネル、ガルウィングドアなど、デロリアンのデザインは生き続けている。おそらく映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでの出演が人気を後押ししたのだろう。そして言うまでもなく、時速88マイル(約141km/h、タイムトラベルする速度)での性能において、デロリアンに匹敵するクルマは他にない。

デロリアンDMC-12(1982年)
デロリアンDMC-12(1982年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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