フィアット「最高速度118km/h」制限を検討 500など小型車の安全対策に 相対的に見れば厳しい制限ではない?

公開 : 2026.01.16 07:05

フィアットは『500』や『グランデ・パンダ』などの小型車に118km/hの最高速度制限を設定することを検討中です。ADASを装備するよりも安全対策として「費用対効果が高い」との考えを示しました。

ADAS装備よりも費用対効果が高い

フィアットは、市街地走行をメインとする小型車の最高速度を約118km/hに制限する可能性がある。低速走行には不要とする高コストの安全装備を一部省略したい考えだ。

フィアットのオリビエ・フランソワCEOによると、欧州で装備が義務付けられている先進運転支援システム(ADAS)の大半は高速走行時の安全性向上を目的としているため、主に市街地で走行する『500』、『パンダ』、『グランデ・パンダ』のようなモデルにはほとんど関係がないという。

『500ハイブリッド』
『500ハイブリッド』

フランソワCEOは、こうしたADAS装備は消費者にとってほとんどメリットがないにもかかわらず、不必要に車両価格を押し上げており、最高速度を制限する方が費用対効果が高いとの考えを示した。

これらのモデルはもともと最高速度160km/hを超える性能を持たず、グランデパンダのEV仕様は約130kmに制限されているため、相対的に見れば特に厳しい制限とは言えないだろう。

欧州の法定最高速度の平均に合わせて

フランソワ氏は、欧州連合が導入を検討している小型車向けの新カテゴリー『M1E』を歓迎した。安全基準は一律的に課されたもので、すべてのセグメントに適しているわけではないからだ。

「わたし達は根本的に、こうした規制の中で最も持続不可能なのは小型車と市街地走行だと考えています。これらの車両は小型で民主的で安価であり、若年層などが都市部の通勤用に購入しているからです」とフランソワ氏は述べた。「走行速度はとても遅い。使用目的が異なるのです」

『グランデ・パンダ』
『グランデ・パンダ』

「なぜセンサーやカメラ、道路標識認識といった高価なハードウェアをすべて搭載する必要があるのか、わたしには理解しがたい。こうした装備は少々不適切で、過去5~6年で小型車の平均価格を60%押し上げる一因となりました」

「2018年や2019年頃の小型車が極端に危険だったとは思いません。わたし達が提案したのは、『高価なハードウェアをクルマに詰め込むのは少し控えよう』というものです」

こうした理由から、フィアットは一部モデルの「最高速度の引き下げを検討する」という。

「欧州の法定最高速度の平均は118km/hです。つまり、118km/hを超えると(多くの場合)違法となります。レーダーやADASなどの大半は、この制限速度を大幅に超える速度を想定して開発されています」

「都市部向けの小型車については、わたしは喜んで現行の法定最高速度に制限します。すでに制約は存在しているのです。法定速度を超えるために過剰装備にすること自体が、どこかおかしいと思います」

フィアットが実際に118km/hの制限速度を設けるかどうか、またその時期については現時点では定かではない。同様の動きとしては、ボルボが2020年、ボルボ車による死亡事故をゼロにする取り組みの一環として全モデルの最高速度を180km/hに制限している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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