ポルシェの技術革新は止まらない! ハイブリッド『911GTS』に感服 高まるターボSへの期待【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2026.01.28 11:45

低速域では独特のエキゾーストノート

センターディスプレイでエネルギーモニターのページを選択し、アクセルペダルを踏み込んでいく。

リアの水平対向6気筒ターボエンジンは、低速域では独特のエキゾーストノートにもひとつの理由があるのだろう、ややラフな印象を抱かせるが、ここから電動ターボがナチュラルに過給を立ち上げると一転、スムーズさと魅力的なパワーフィールを感じさせるようになる。

センターディスプレイでエネルギーモニターのページを表示。
センターディスプレイでエネルギーモニターのページを表示。    平井大介

駆動用のモーターは確かにエンジンをサポートし、ワイドなトルクバンドによって、実際の加速感は実に息の長いものに思える。

エンジンスピードが中速域から高速域に入ると、さらにパワーフィールは圧倒的なものとなり、またアクセルペダルの動きに対するレスポンスにもより鋭さが増してくる。

まったく不安を感じない全開加速

そして発進時にもうひとつ感じるのは、トラクション性能の高さだ。

今回の試乗した911GTSは、前でも触れているとおりRWD仕様だったのだが、さまざまな電子制御デバイスの働きもあり、まったく不安を感じない全開加速を楽しむことができた。もちろん日本においては、合法的な速度リミットには一瞬で到達してしまうことになる。

ワインディングロードでも、911GTSは実に魅力的な走りを披露。
ワインディングロードでも、911GTSは実に魅力的な走りを披露。    平井大介

ワインディングロードでも、この新型GTSは実に魅力的な走りを披露してくれた。ここでもドライバーにとって大きな味方となるのはリアのエンジンが秘めるパワーであり、またトラクション性能の高さだ。

なお、GTSには992.2への進化でリアアクスルステアリング(後輪操舵)の標準装備化が実現しており、したがってコーナリングに関しての印象というものは、低速域でも高速域でも驚くほどの正確さと安定感に尽きる。

車検証上でのこのモデルの車両重量は1630kg。前輪に590kg、後輪には1040kgが配分される。1.9kWhの容量を持つリチウムイオンバッテリーの搭載位置はほぼダッシュボード下だ。

ドライバーは安心してコーナーへと侵入していくことができる

また、こちらもやはりオプションとなるが、試乗車に装備されていたポルシェコンポジットブレーキ(PCCB)のフィーリングも素晴らしかった。

その絶対的な制動力はもちろんのこと、ブレーキペダルへの軽いタッチにも正確に反応してくれることで、ドライバーは安心してコーナーへと侵入していくことができるのだ。

先日発表された『911ターボS』は、電動ターボをツインで装備するTハイブリッドが採用される。
先日発表された『911ターボS』は、電動ターボをツインで装備するTハイブリッドが採用される。    AUTOCAR

そのオプション価格は170万円と高価ではあるが、ワインディングロードや、さらにはサーキットを積極的に走りたいというカスタマーならば、それは十分に価値ある投資といえるのではないか。

ポルシェにとって、Tハイブリッドという新技術を採用した新型『911カレラGTS』は、彼らの技術的な革新が一時も止まることはないことを見事に証明したモデルだった。

そして、先日発表された992.2世代の『911ターボS』で、さらに電動ターボをツインで装備するTハイブリッドが採用されたことは、ポルシェからのニュースをチェックしている人にはすでに周知のとおり。こちらは711psの最高出力と800Nmの最大トルクを発揮する、911シリーズの中でもさらに特別な存在といえるモデルだ。

はたしてそれが実現するパフォーマンスはいかなるものなのか。ポルシェ・ファンにとっては楽しみなところだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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