1950年代の小さな元祖ステーションワゴンたち(1) 軽自動車より短い『フォード・エスコート』 可愛さ抜群『ヒルマン・ハスキー』

公開 : 2026.03.22 17:45

警察や消防隊へ登用されたヒルマン・ハスキー

1955年にフォード以外がお好みだったら、623ポンドでヒルマン・ハスキー Mk1を選ぶことも英国では可能だった。登場は1954年で、基本的にはヒルマン・ミンクス・エステートのショートホイールベース版といえた。

ヒルマンは、「荒野での狩りにはショットガンを、釣りにはルアーを積んで出かけよう」。というキャッチコピーで訴求。実際には、平日は作業着姿のパパが仕事で使い、週末には家族で出かける足となり、10年以上も提供が続いた。

ヒルマン・ハスキー・シリーズ2(1958~1965年/英国仕様)
ヒルマン・ハスキー・シリーズ2(1958~1965年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ハスキー Mk1のボディは、1945年発売の先代ミンクスがベース。だが1958年に、次世代の通称「オーダックス」シリーズ1へ刷新され、1960年にシリーズ2へ交代した。

ライバルを超える1.4Lの排気量が販売で強みになり、最低地上高の高さも郊外のユーザーには好評だった。見た目は抜群に可愛いが、一部の警察はパトカーとして登用。ロンドンでも消防隊へ配備されるなど、実用性でも確かな評価を得ていたといえる。

テールゲートを開くと見えるスペアタイヤ

今回の可愛いハスキーは1960年式のシリーズ2で、ジョン・エルソン氏が2008年に購入したとか。「キャンパーを牽引するため、ミンクスの1.6Lエンジンへ載せ替えています。1速にシンクロがなく、シフトダウンは難しいですが良く走りますね」。と微笑む。

ラリーで活躍したサンビームアルパインとフロアパンを共有し、操縦性も悪くはない。運転席の足元には、外気を導入する送風口。エンジンルームの熱を届けるヒーターは、オプションだった。テールゲートを開くと見えるスペアタイヤは、3台で共通する。

ヒルマン・ハスキー・シリーズ2(1958~1965年/英国仕様)
ヒルマン・ハスキー・シリーズ2(1958~1965年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ミンクス・ベースのハスキーは、1965年に生産が終了。2年後に、ヒルマン・インプのステーションワゴンで、ハスキーの呼び名は復活している。

この続きは、1950年代の小さな元祖ステーションワゴンたち(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・ロバーツ

    Andrew Roberts

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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