F1初心者向け 2026年シーズンの新ルール解説(前編) 何がどう変わった? 今週末ついに開幕!

公開 : 2026.03.07 11:45

オーバーテイクボタン、可変エアロ、フラットボトム

内燃機関と電気の出力比率がほぼ50:50に近づいたことで、レース手法も革命的に変化した。2011年から使用されてきた従来のDRS(ドラッグ低減システム)可変リアウィングは廃止され、フロントウィングとリアウィングの両方に可変エアロダイナミクスが導入された。

さらに「オーバーテイク」ボタンも追加された。サーキットのどこでも、1秒以内の差で先行車を追走している場合、337km/h未満なら全速域で350kWのエレクトリックパワーを解放できる。その結果、これまでまったく考えられなかった区間での追い抜き(オーバーテイク)が期待されるようになった。

メルセデスAMG
メルセデスAMG    メルセデスAMG

可変エアロは長年の議論の末、ついに実現した。「ストレートモード」と「コーナーモード」(チームが当初使っていた「Xモード」、「Zモード」といった専門用語よりはるかに理解しやすい)の登場だ。フロント&リアウィングは指定のストレートでトリムアウトし、ブレーキング時には高ダウンフォース仕様に戻る。

レースに新たな表情を加える一方で、可変エアロには別の目的もある。ストレートでの空気抵抗を減らすことで、レース中にバッテリーが切れてしまう懸念を軽減するのだ。

燃料使用量の制限に代わり、現在1時間あたり3000MJのエネルギー流量制限が適用されている。

そして、我々はF1用語辞典から「ポーポイズ現象」という言葉を削除できるようになった。

ドライバーにとって頭痛の種だった2022-2025年世代のグラウンドエフェクト・ベンチュリートンネルを廃止し、1983年から2021年までのF1マシンに見られるフラットボトム(平らなアンダーフロア構造)を採用している。少なくとも、不格好なグラウンドエフェクトマシンに満足していなかったルイス・ハミルトンにとっては朗報と言えるだろう。

(翻訳者注:この記事は「後編」へ続きます。)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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