乗るなら2ストか4ストか サーブ96(1) やんちゃなバイクのような排気音 航空機メーカーらしい空力ボディ

公開 : 2026.04.11 17:45

V型4気筒エンジンへ備えたロングノーズ

新しい96では、エンジンルームから後方を刷新。車内空間は拡大され、荷室は広がり、ダッシュボードも改められた。2ストロークの3気筒エンジンは、841ccへ排気量が増え、41psへパワーアップ。厳しい気候での耐久性が、大きな自慢になった。

ヘッドはアルミ製で、ブロックはニッケルとアルミの合金製。チューニングの余地は大きく、3連キャブレターで52psの96 スポーツと、96 モンテカルロが設定されている。

サーブ96(1960〜1967年/2ストローク/欧州仕様)
サーブ96(1960〜1967年/2ストローク/欧州仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

今回ご登場頂いた1台、ディーン・ジェニングス氏がオーナーの96は、スウェーデン仕様の1965年式。1960年にマイナーチェンジを受け、「ブルノーズ」と呼ばれた個性的なフロントマスクは延長されている。2000年前後に、英国へ運ばれてきたという。

このロングノーズ化は、後に登場するV型4気筒エンジンへ備えたものだった。実は筆者も、1966年式の2ストローク版を所有していた。1972年式の、4ストローク版と一緒に。それは英国仕様で、コラムシフトの3速MTだったが。

北欧流の簡素さが漂うインテリア

ブルー・グレーが美しいジェニングスのクルマは、3連キャブレーターで4速MT。それ以外は、40年前に筆者が夢中だった96と大きくは違わない。水滴のようなシルエットのボディは、ほぼ全体が曲面。当時の英国では、目を引く存在だったに違いない。

ドアのパネルは、ボディと滑らかに繋がる。ルーフにロールオーバーバーが内蔵されたシェルは強固で、ドアを閉めると金庫のように重厚な音が鳴る。

サーブ96(1960〜1967年/2ストローク/欧州仕様)
サーブ96(1960〜1967年/2ストローク/欧州仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

インテリアは、北欧流の簡素さ。サイドとリアのウインドウは、ヒーターなしでも曇りが取れるよう、巧妙にベンチレーションされる。サンバイザーは安全のため。リアシートは角度調整でき、フラットに畳める。70年近く前の、知的なデザインへ感心する。

この続きは、サーブ96(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

サーブ96の前後関係

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