行方不明だった「青いノミ」 ル・マン仕様のミニ・マーコス(1) 90馬力エンジンはクーパーS用

公開 : 2026.04.12 17:45

盗難を経て行方不明のまま半世紀

ミニ・マーコスは、1975年にフランス人のミシェル・タッセ氏によって購入され、普段の足としてパリを闊歩。この時点で、最高速重視のギア比とワイドなレーシングホイールは変更されていたようだ。ところが、英国へ売られる数日前に盗まれてしまう。

それ以来、ル・マンを優勝したマーコスは行方不明に。解体されたと考える人も多かった。しかし、ミニの歴史書を執筆するオランダ(ネザーランド)人、ジェローン・ブーイ氏は捜索を続け、ポルトガルに存在するという情報を得る。

ミニ・マーコス・ル・マン仕様(1966年)
ミニ・マーコス・ル・マン仕様(1966年)    トニー・ベイカー(Tony Baker)

オーナーは、現地のレーシングドライバー。仲介人を介して交渉が進められ、2016年に彼は3枚の写真を受け取った。そこには、確かに半世紀前の青いノミが写っていた。

ポルトガルで眠っていたミニ・マーコス

ただし、1970年の時点でフロントは改造されていた。確証を得るべくボディ表面が研磨され、塗り重ねられた塗装が顕になると、オリジナルがブルーだと判明。盗難車としての時効は成立しており、2016年12月に購入が申し込まれた。

クルマを引き取るべく、ブーイはポルトガル中西部、モンチジョまでの2250kmの距離を1日で走破。フォルクスワーゲン・ポロに乗って来た男性と面会し、彼の自宅裏まで向かうと、古いガレージにミニ・マーコスが眠っていたという。

オーナーのジェローン・ブーイ氏によって運ばれる、ミニ・マーコス
オーナーのジェローン・ブーイ氏によって運ばれる、ミニ・マーコス

ボディシェルに残されていたのは、ステアリングコラムの一部とペダルボックス、レース用燃料タンクだけ。それでも、ブーイは本物だと確信していた。

この続きは、ル・マン仕様のミニ・マーコス(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    トニー・ベイカー

    Tony Baker

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ル・マン仕様のミニ・マーコスの前後関係

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