V8搭載の小型軽量スポーツカー ロータス『エスプリ』が新解釈で蘇る! 走りを洗練させたレストモッド、約9000万円から

公開 : 2026.04.02 11:45

ネックだったトランスミッションを再設計

5速マニュアル・トランスミッションも再設計された。アイブス氏は「このスペースに他のユニットを組み込むことはほぼ不可能で、オリジナル車における限界と考えられてきました」と述べており、「古いケースから新しいトランスミッションを効果的に作り直す」必要があった。

結果、トランスミッションの内部部品のうち「ごく一部」のみを残し、実質的には新しいユニットとなった。さらにドライブトレインの強度を高めるため、リミテッドスリップディファレンシャルを追加した。

アンコール・シリーズ1
アンコール・シリーズ1    アンコール

こうした改良により、アンコール・シリーズ1は0-100km/h加速タイム4.0秒と、オリジナル車のほぼ半分のタイムを達成。最高速度は約280km/hに達する。

サスペンションシステム、アンチロールバー、電子制御システムも完全に新規設計となり、現代的な車体構造を獲得した。特に重要な点は、フライオフ式のハンドブレーキから電子式への切り替えだ。これにより省スペース化し、バルクヘッドの強化、機械部品削減による軽量化、リアブレーキの大型化などが可能になった。

アイブス氏は次のように語っている。

「優れた部分はすべて残しています。(オリジナル車は)率直に言って素晴らしいクルマです。パワーステアリングの性能は、当時も今も最高峰と評価されてきました。アンコールはそれらをすべて継承しつつ、その上に新たな要素を構築しているのです」

「わずかに軽量化し、わずかにパワーアップしています。これが(S4生産終了後)20年にわたる技術発展の成果です。現代のクルマのような硬いサスペンションに変える意味はありません。柔軟性を保ちつつ、かつてのアナログな運転感覚を再現したかった」

ヘッドライトはLEDの「リトラ」に

見た目はオリジナルのエスプリS1とよく似ている(サイズも同等だ)が、ボディは完全新設計である。ドナー車両のエスプリS4のグラスファイバー製チューブを撤去し、S1の仕様を厳密に再現したカーボンファイバー製ボディを装着している。

アイブス氏によると、新しいボディシェルを採用した理由は、強度と軽さを両立するためだという。「既存のボディシェルを完全に取り外し、後の活用先を確保した上で、バックボーンシャシーに装着する完全新規のボディシェルを製作しました。シェルはオリジナル比で約半分の重量であり、もちろん驚異的な剛性を備えています」

アンコール・シリーズ1
アンコール・シリーズ1    アンコール

外観はオリジナルを「洗練」させたものだが、現代的なタッチと独自のデザイン要素を取り入れている。例えば、レトロフューチャー的なデイタイムランニングライトが大きな特徴だ。リトラクタブル式ヘッドライトにはLEDを採用し、点灯時の開き角度を低く抑え、空力性能の向上を図っている。8灯式のリアライトは、8気筒車であることを示している。

インテリアは新旧の融合だ。10.1インチの縦型インフォテインメント・スクリーンと、10.25インチのドライバーディスプレイを搭載。それに木製シフトノブ、1970年代風のバックミラー、オリジナルのウインカーレバーを組み合わせている。衝突安全性にも配慮し、一体型のカーボンファイバー製ロールケージを装着した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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