もうすぐ買えなくなる『最後の純血アルピナ』(1)D3 Sリムジン編【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2026.05.25 11:45

ブランド譲渡前のラストモデル

また、アルピナの新車をドライブすることができる。そのチャンスが訪れたのはつい先日のことだった。

アルピナが最後に生産を計画してラインオフされたという『BMWアルピナD3 S』と『BMWアルピナB4 GTグランクーペ』がそれで、これらはもちろんブランド譲渡前のラストモデルとなる。まずはD3 Sからそのレポートを始めることにしよう。

まずドライブしたのは、アルピナ・ブルーの『BMWアルピナD3 Sリムジン』。
まずドライブしたのは、アルピナ・ブルーの『BMWアルピナD3 Sリムジン』。    佐藤亮太

日本には4ドアセダンの『リムジン』と、5ドアワゴンの『ツーリング』が輸入される最後のD3 Sだが、今回ドライブしたのはアルピナ・ブルーのエクステリアカラーに、アイボリーホワイトのメリノ・フルレザーインテリアというコンビネーションのリムジンだ。

20本のスポークでデザインされた前後ホイールは20インチ径。フロントとリアに備わるエアロパーツは、これまでのアルピナがそうであったように控えめなデザインだが、それによってより優秀なエアロダイナミクスを実現するとともに、アルピナらしいエレガントな印象を醸し出している。

リアのアンダースポイラーへと導かれる4本出しのエキゾーストパイプは、このD3 Sが秘めるパフォーマンスをさりげなく主張するアイテムといったところだろうか。

優しい気分になる

ドライバーズシートに身を委ねてみると、アルピナの魅力はさらに明白になる。

人間は最上級のものに身を包まれると優しい気分になるとは良く聞かれる言葉だが、D3 Sのキャビンはまさにその典型的な例だろう。センターコンソールにはモデル別のシリアルナンバーが刻まれたプレートがフィットされ、それもまたオーナーの気分を高揚させる。

アイボリーホワイトのメリノ・フルレザーインテリアを組み合わせた取材車。
アイボリーホワイトのメリノ・フルレザーインテリアを組み合わせた取材車。    佐藤亮太

液晶のディスプレイメーターはアルピナ独自のデザイン。ベースの現行3シリーズとは異なり、クラッシックなギアセレクターを採用していることも大きな特徴だ。

フロントのパワーユニットは、2992ccの直列6気筒DOHCディーゼルツインターボエンジンに、48Vのスタータージェネレーターを組み合わせたもの。BMWはこれを286psの最高出力と650Nmの最大トルクというスペックで『330d xDrive』などに搭載しているが、アルピナはそれを355ps、730Nmにまで強化。

ミッションはアルピナ・スイッチトロニック付きの8速ATで、駆動方式は前後トルク配分を可変制御する4WDとなる。リアに電子制御方式のLSDを標準装備するのも見逃せない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

スーパーカー超王が斬るの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事