ルノーのトップが自ら試乗する、極秘の新型車(前編) 全幹部を引き連れるセッションに、UK編集部が同行取材

公開 : 2026.06.12 17:05

インド市場向けモデルにも注力

次に、ダチアルノー・グループ傘下のルーマニアの低価格車ブランド)の新型『サンデロ』を視察する。欧州におけるダチアのベストセラー車であり、購入者の70%がリピーターであるため、極めて重要なモデルだ。SUVの『ダスター』や『ビッグスター』からの影響が見られ、(相変わらず)驚くほどコストパフォーマンスに優れている。

次に目を向けるのは、ルノーの新型『ブリッジャー』のコンセプトモデルだ。プロヴォスト氏のFutuready計画における旗手と言えるだろう。今年3月に発表され、事業拡大を図るインド市場向けに開発されているからだ。背が高く堂々とした印象だが、プロヴォスト氏は全長が『クリオ(日本名:ルーテシア)』と同じ4.0mしかないと指摘する。

ルノー・ブリッジャー・コンセプト
ルノー・ブリッジャー・コンセプト

「インドでは、あらゆるものを倍にしなければなりません。彼らはもっと豪華で、大きく、広々としたものを求めています。ですので、大きく見えるのは利点になります」とプロヴォスト氏は言う。

筆者は、この堂々とした小型SUVなら、フロントにダチアのエンブレムを付けて欧州でもヒットするのではないかと提案した。プロヴォスト氏がこれまでも何度も同じ話を聞かされてきたのは明らかだが、彼はこのブリッジャーの最初の使命は「インドで、インド人のために」あると主張する。

他のパワートレインや市場を絡めて複雑化することは避け、できるだけ早く市場投入したいとの考えだ。アフリカ、中東、南米で10万台以上売れるかもしれないという筆者の提案には半ば同意しつつも、これほど高いポテンシャルを持つモデルに対しては極めて慎重な姿勢を崩さない。

(翻訳者注釈:この記事は「後編」へ続きます。)

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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