「史上最高のホットハッチ」最適解 プジョー205 GTI/205 ラリー(1) ボディを巡る赤いストライプ 旋回軸はフロントアクスル

公開 : 2026.07.11 17:45

積極的に操れば旋回軸はフロントアクスル

205 GTIを端的に表すなら、桁違いの臨場感。ステアリングはロックトゥロックが3.9回転とスローながら、リムを傾けた瞬間にノーズは反応する。遊びは殆どない。僅かなフロントのトーアウトが、敏捷な回頭性へ貢献している。

市街地を抜ける前から、運転の喜びに満たされ始める。追い越し車線へ移るだけでも、スリリング。映画「タクシー」のような、カーチェイス気分を楽しめる。柔らかいシートが揺れの一部を吸収し、当時のハッチバックとしては乗り心地も良い。

プジョー205 GTI 1.6(1984~1994年/欧州仕様)
プジョー205 GTI 1.6(1984~1994年/欧州仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

フロントヘビーなことは明らかで、積極的に操れば旋回軸はフロントアクスル。リアアクスルは、面白いように振り回される。気張りすぎれば、片輪が浮き上がる。ブレーキは強力で、この挙動へ慣れれば、高笑いしたくなるような体験へのめり込める。

1580ccのUXエンジンは、6500rpmのレッドラインまでほぼ線形的にパワーを高めるが、最後の1000rpmは少々辛そう。それでも、ヘアピンの頂点を過ぎシフトダウンすれば、フロントタイヤを通じて106psを余すことなくアスファルトへ展開できる。

WRCで2年連続コンストラクターズ・タイトルを獲得

グループBの205 T16は、1985年と翌年のWRCでコンストラクターズ・タイトルを獲得。また1985年に、ユハ・カンクネン氏はドライバーズ・タイトルへ輝いた。これがGTIの支持率を高め、フランスでは205の販売の11%、英国では20%に至った。

ところが1986年末、危険性を理由にWRCのグループB競技は終了。1987年に向けて、プジョーは205 T16 エボ3の開発を進めていたが、それはパリ・ダカール・ラリーやパイクスピーク・ヒルクライムなどへ戦いの場を移さざるを得なかった。

プジョー205 GTI 1.6(1984~1994年/欧州仕様)
プジョー205 GTI 1.6(1984~1994年/欧州仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

この一方的な変更へ講義するべく、プジョーは1999年までトップカテゴリーでの参戦を凍結させる。しかし、1300cc以下のグループAでの挑戦は検討された。

この続きは、プジョー205 GTI/ラリー(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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