協調を重視する企業文化で急成長 スコダのトップ、クラウス・ツェルマー氏:リーダー賞(後編) #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.08 17:10

企業トップに必要な資質とは?

AUTOCARは今年の「アウトスタンディング・リーダー(傑出したリーダー)賞」にツェルマー氏を選んだわけだが、当然のことながら、彼はスコダの輝かしい成果が自分の資質によるものだと認めることを避け、むしろ同僚たちのたゆまぬ努力によるものだとしている。

「成果を出しているのはわたし1人ではありません。チームと共に成果を生み出しているのです。わたしの役割はチームを鼓舞し、正しいスピードと精神で正しい方向へと導いていくことです」

クラウス・ツェルマー氏(右)と筆者(左)、チェコのムラダー・ボレスラフの博物館にて。
クラウス・ツェルマー氏(右)と筆者(左)、チェコのムラダー・ボレスラフの博物館にて。    AUTOCAR

しかし、ツェルマー氏は、CEOにはいくつかの資質が必要であることを認めている。「言行一致、ビジョンを持つこと、フォロワーを生み出すリーダーシップ、親しみやすく信頼できる人物であること、そして何よりも約束を果たすこと」である。

本人は認めたくないかもしれないが、ツェルマー氏が挙げたのは、まさに彼自身に備わっている資質だ。こうした資質が、今後数年間で彼自身とスコダをさらなる成功へと導く原動力となるだろう。

幸運は、準備と機会が出会うときに生まれる

しかし、今後の道筋を築くためにあらゆる努力を惜しまない一方で、ツェルマー氏は自身の将来についてははるかに柔軟な姿勢を示している。その波乱万丈なキャリアの次の段階がどうなるかと尋ねられると、彼は笑いながらこう答えた。

「わたしはこの自動車業界に30年間身を置いてきましたが、これまでのどの役職においても、その質問に答えることは決してできなかったでしょう」

スコダ・エンヤク
スコダ・エンヤク    スコダ

周囲からは「今の地位にたどり着けたのは運が良かった」と言われることもあるそうだが、ツェルマー氏は「準備と機会が出会う」ときだけ、真の意味で幸運が訪れるのだと語った。

「何が起こっても、そしてどんなチャンスが訪れても対応できるように、準備をしておく必要があります。しかし、準備ができていなければ、そのチャンスはあなたにとって何の意味も持たないでしょう」

ツェルマー氏は将来がどうなるかを正確には知らないかもしれないが、あらゆる事態に備え、その状況に立ち向かう準備ができていることは間違いない。まさに、優れたスコダ車のように。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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