特別な機会に振る舞うご開帳 究極のマツダ・ロードスター限定車『12R』を通じてわかった、原盤の尊さ(後編)【渡辺敏史が吟味】
公開 : 2026.07.06 11:50
明らかに別の世界をみせてくれる
12Rは数的なハードルに加えて、価格的なハードルも高い。個人的にはちょっと高すぎるかなあと思うところもある。が、それを超えることが出来た幸運なオーナーには明らかに別の世界をみせてくれる、そんな仕上がりだ。
マツダは余りの反響の大きさに第二弾的な頒布を検討するような旨も匂わせているが、個人的には少なくとも12R的なロードスターに関してはおいそれと数を増やすべきではないと思う。言い換えればそのくらい、特別な機会に振る舞うご開帳的な存在であって欲しい。

そしてこれらの特別な施しのロードスターを知った後でさえ、なお魅力にまったく衰えを感じないのがカタログモデルの凄さだ。
ムービングパーツの小ささで軽快な吹け上がりを実現している1.5Lのエンジンをしっかり回してパワーを引き出しながら、逐一ギアを選んでの一挙手一投足に一喜一憂する、そんな逐一の対話感が日々の凡な移動にも彩りを加え、乗る者にも活力をもたらしてくれる。生活を共に走る相棒としての距離感は、排気量が小さいぶんだけ、むしろ上であろう。
優れた原盤があったからこそMSRロードスターはリマスタリングとして輝くことが出来た。そう鑑みれば日本やイギリスなどごく限られた仕向地でしか味わえない1.5Lの存在価値は、尊いものと思えてくる。







































































