魅力は甘美でも価格は甘過ぎず フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(2) ローマ・スパイダーから5万ポンド近く上昇 薄まった独特の優雅さ

公開 : 2026.08.17 18:10

魅力は甘美でも決して甘過ぎない

実際のところ、心を震わせる刺激的なサウンドを、3.9L V8ツインターボは放たない。排気ガス規制をクリアするには、低粘度のオイルで潤滑し、排気系に触媒を挟む必要がある。ターボも必要な技術といえる。往年のような響きは、得難いものとなった。

折りたたんだソフトトップは、トランスアクスルとの間に挟まれた、荷室を圧迫する。オープン時の容量は172Lしかなく、家族や友人での長距離旅行にはクーペの方が向いている。標準装備の助手席用モニターには、賛否あるだろう。

フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(欧州仕様)
フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(欧州仕様)

それでも、何と素晴らしいリトル・フェラーリなのだろう。しなやかに路面へ追従する足回りに、オーバーステアを流暢に誘えるバランス。出色の洗練性。クーペより車重は僅かに増えたが、影響は最小限で、8速デュアルクラッチATも傑出の仕上がりにある。

お値段が、2023年時のローマ・スパイダーから5万ポンド(約1075万円)近く上昇した事実には、目を疑いたくなる。だが、他の追従を許さない領域への昇華を遂げている。その魅力は甘美であっても、決して甘過ぎない。

フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(欧州仕様)のスペック

英国価格:22万7260ポンド(約4886万円)
全長:4660mm
全幅:1974mm
全高:1305mm
最高速度:321km/h
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:−km/L
CO2排出量:257g/km
車両重量:1556kg
パワートレイン:V型8気筒3855cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:540ps/7500rpm
最大トルク:77.4kg-m/3000-5750rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック/後輪駆動

フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(欧州仕様)
フェラーリ・アマルフィ・スパイダー(欧州仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

フェラーリ・アマルフィ・スパイダーの前後関係

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