革新的すぎた気筒休止から驚異のV8「デーモン」まで 物議を醸したエンジン 30選(前編) 高性能でも弱点あり
公開 : 2026.10.09 11:25
クライスラーLH
LHは1998年に導入された2.7L V6エンジンで、クライスラー・セブリング(写真は2007年型カブリオ)をはじめとする複数のモデルに搭載されている。このエンジンは「オイルスラッジ」と呼ばれる現象で悪名高い。これはオイルが汚れ、潤滑機能を失うことで致命的な故障を引き起こす現象だ。
オイルスラッジについては当時、さまざまな説明がなされた。クライスラーは、オーナーによる整備不足が原因だと主張し、大きな反発を招いた。説得力のある説としては、ガスケットの劣化により水がオイルに混入したというものがある。

シトロエン・ビロトール
1969年、ヴァンケル式ロータリーエンジンが自動車の未来を担う重要な存在と見なされていた頃、シトロエンはアミをベースにしたシングルローター搭載モデル、M35を発表した。正式な販売は行われていないが、一般向けに試乗車として提供され、好評を博した。
4年後、シトロエンは人気の高かったGSにツインローターエンジンを搭載し、ビロトールと名付けた派生モデルを発売する。M35とは異なり、こちらは大失敗に終わった。その失敗の度合いはBMW 2002ターボを上回るほどだったが、失敗理由は似ている。GSの基準からすれば信じられないほど高価で、燃費も極めて悪かったのだ。こうした要素はいつの時代でも歓迎されるものではないが、石油危機に見舞われた当時としては特に受け入れがたいものであった。

ダッジ・デーモン
21世紀において、特定のクルマの販売禁止を求める声は極めて稀だが、2018年に登場したダッジ・チャレンジャーの最上位モデルは、まさにそのような騒動を引き起こした。クライスラー製のスーパーチャージャー付き6.2L V8エンジンの「デーモン」バージョンを搭載しており、適切な高オクタン価の燃料を使用すれば840psを発生する。
この驚異的な数値を受け、権威ある業界誌はデーモンを「一般のドライバーにとって本質的に危険」であり、「公共の安全よりも自らの誇示を優先させた、一連の誤った企業判断の結果」と評した。奇妙なことに、1025psを発生する2023年型チャレンジャーSRTデーモン170については、これほどの騒ぎにはなっていない。

(翻訳者注釈:この記事は「中編」へ続きます)





























