カウンタックLP400ペリスコピオ、8553万円。同じオークションで、シトロエンCX2200、77万円。ヒストリックカー・ファンに向けた現実的な価格帯の出品も多い「ボナムス・パリ・オークション」のリザルト一覧です。

text：Kazuhide Ueno（上野和秀）　photo：BONHAMS

「ボナムス・ルグランデ・マーキュー・ドゥモンド・グランパレ・オークション」リザルト一覧

レトロモビル・ウイークのボナムス・オークションは、一般的なヒストリックカー・ファンに向けた現実的な価格帯を中心に行われたのが特徴だ。レトロモビルが今やワールドワイドな存在に成長したこともあり、特にフランスを意識したラインナップではなかった。

会場となったのはかつてパリ・モーターショーが開かれていたガラス張り屋根で鉄骨造りが特徴のグランパレ。ここに20世紀初頭のモデルから21世紀のモデルまでの136台が用意された。戦前のクルマが約36%を占めると言ったら大まかな傾向が分かろう。ここでは戦後のモデルを中心にご紹介する。

このオークションはミリオネア向けのクルマより、レトロモビルのボリュームゾーンといえるマニア向けの現実的なモデルが数多く用意された。下記の高値トップ10を見てお分かりのように、真のエンスー向けの車両が上位を占め、最高落札額は1935年ブガッティ・タイプ57 3.3Lトルペード・ツーリストトロフィー（9555万円）が記録。ここに続いたのは1926年ベントレー3Lレッドラベル・スピードモデル・ツアラー／9401万円で、モダンモデルは3番値でようやく1974年ランボルギーニ・カウンタックLP400ペリスコピオが8553万円で姿を見せたことからも、このオークションと客層が見えてこよう。

ランボルギーニ・ミウラP400Sと1973年ポルシェ911カレラRSツーリングは最低落札が現在の相場より高かったためか、入札が進まず流れている。またランチア・デルタS4グループBと、ランチア・デルタHFインテグラーレ8VグループAは、バリバリのレーシング・モデルだけに乗り手を選ぶことから、こちらも入札が続かず流札してしまった。

シトロエン、ランチア　マニア向けが人気

逆にマニア向けといえる現実的な価格の車両は活発な入札が続いた。パリらしいシトロエンCX2200（77万円）が最安値を記録し、アバルトのプロトタイプ風にモディファイされたフィアットX1/9グループ4（170万円）、お値頃のランチア・アッピア・クーペ（309万円）、当時日本にも導入されたMGメトロ・ターボ（124万円）、そしてヴェスパ400（170万円）といった個性的なクルマが人気を集めた。

変わったところでは日産スカイラインGT-R（R32）が姿を見せた。このGT-Rはオリジナルで走行4.4万kmと良好なコンディションだったが、アメリカと違ってヨーロッパでは人気が今ひとつのため463万円に留まった。

当オークションに関するニュースは、「ランボルギーニ・ミウラっていくらするの？　価格動向　ボナムス・パリ・オークション」、「フェラーリF1　シューマッハーのモーターホームは、おいくら？」をレポートしているので、あわせてご確認いただきたい。

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価格は落札手数を含む額。日本円への換算は、オークション開催当日の為替レートを基に計算。
NS=落札不成立。日本円価格の括弧内の金額は、主催者が発表した予想落札価格。