比較試乗 アストン マーティンV12ヴァンテージ vs ポルシェ911 GT2 前編

公開 : 2018.05.06 08:10

「すごい」の一言

初代に比べると、このV12ヴァンテージの外観はずっと抑制されていて地味に見えるかもしれないが、同じ遺伝子が組み込まれているのはひと目でわかる。12気筒エンジンが発散するエネルギーと存在感は、軽量化が施されたエンジンフードに穿たれた4列の大胆な冷却用スリットや、低く構えたカーボンファイバー製リップスポイラーからも強烈に匂い立っている。

そのアウトロー的なオーラは、間違いなく初代と同じものだ。まわりのすべての者を威嚇するかのようなこの姿を前にしたら、いったいどれほどのポテンシャルを秘めているのかと想像せずにはいられない。

その答えは「すごい」のひと言に尽きる。しかもそれは、きわめて限られた精鋭のみで構成されるこのセグメントのライバルたちと同等にすごいという意味に理解していただいてかまわない。

モデルチェンジを間近に控えているとはいえ相変わらず最高峰にいるフェラーリF430、ファンタスティックな走りでは双璧をなすランボルギーニガヤルドLP560-4、そして言うまでもなくポルシェ911 GT2などがその代表例だ。

ただし、このなかでもF430とガヤルドはV12ヴァンテージと比べた場合、装いも味わいもかなり異なっているのは否定しようがない。この2台はミドエンジンであり、フロントエンジン・リアドライブのアストンのようなマッチョで粗暴な走りではなく、もっと緻密で精緻なドライビングを持ち味としている。さらに、価格的に見ても、むしろDBSのほうが近い位置にある。

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