ロードテスト フォルクスワーゲンUp! GTI ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.05.13 10:10  更新 : 2018.05.14 15:12

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

内装 ★★★★★★★★★☆

このUp!のパワーアップ版に乗ってみると、GTIの定番であるタータンチェックのジャカラと呼ばれるクロスが張られたシートが目につく。3本スポークのステアリングホイールは革巻きで、リム形状はフラットボトム。ここまでは、現代のGTIの文法通りだ。

次に気付くのは、シフトノブとサイドシルプレートにGTIの名が刻まれていること。また、ダッシュボードに張られた赤いピクセル柄のガーニッシュも目を引く。ただ、ステッチやチェック柄の赤とマッチさせるには、シェードの部分が暗すぎる。ルーフライニングも黒いが、思いのほかスポーティな面に貢献している。一方でマットなクロームのトリムは好ましく、シティカーを1万4000ポンド(約210万円)近いクルマに見せるには効果的なトリックだ。

構造的な変更点はなく、見かけ以上に余裕のあるパッケージングや、さまざまな操作が楽にできる細部のエルゴノミクスは損なわれていない。ダッシュボードの中央には空調の実体スイッチがすっきりと配置され、そのすぐ上にはスマートフォンのマウントが、下には基本的な情報を表示する小さなデジタルディスプレイが備わる。計器類は、GTI以外のグレードよりややスタイリッシュなものを備える。

この小さなハッチバックのキャビンはこれまで、決して斬新なデザインを見せるものではなかったが、GTIならではのアイテムを満載することで、パンチの利いた空間となった。この小宇宙の細部まで楽しみを追求するやり方には、盆栽の精神を感じさせるものがある。初めて乗り込んだならば、ついつい笑みが浮かぶのを止められないのではないだろうか。

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