ロードテスト DS7クロスバック ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.12.30 11:40  更新 : 2022.04.23 12:04

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★☆☆☆☆

DS7クロスバックの洗練され、落ち着きがあり、ラグジュアリーな雰囲気すら感じられるドライビングは、コンパクトSUVの中でもかなり特徴的な存在だといえる。最近このセグメントでは、ダイナミクス性能を高める傾向があるからだ。

フランス製のプレミアムブランドが生んだ大きなファミリーカーとして、路面をカメラで読み取る「DSアクティブ・スキャン」機能を備えたサスペンションは、イメージ通りの乗り心地を提供してくれるだろうか。以前テストしたDS5が備えていた、大きなフランス車でありながらも、どこかダイナミックな性格も忘れられないものだったけれど。

DS7クロスバックの乗り心地は全般的に優れていたものの、やや不自然さも垣間見れた。挨拶がわりとなる初めの50m程の走りは、充分に好印象なものだった。ステアリングは適度に軽く、穏やかなギヤ比設定ながら、アシスト量も過剰ではない。前輪駆動でありながら、余計な感触も伝わってこず、かといって路面と隔離された間隔もない。

乗り心地は柔らかく、低速域では不満のない快適性を備えている。しかし、サスペンションはロードノイズを車内に届けてしまう様子。大きくなだらかな窪みや轍は、充分滑らかに処理してくれるものの、19インチに扁平率が50というタイヤサイズもあって、鋭い路面の剥がれや凹凸には、やや手を焼いている状態だった。

DS自慢の画像認識を用いた「DSアクティブ・スキャン」アダプティブ・ダンパーは、残念ながら英国の道では上手に機能できない印象だった。市街地でも郊外の道でも、疑問が残った。そもそも、前方の路面状態を反映させるアクティブ・スキャン機能は、コンフォートモードを選択したときのみ有効となるようなのだ。

コンフォートモード以外では、アダプティブダンパー独自のプログラムが有効になり、センターコンソールに備わる大きなトグルスイッチで選択した、ドライビングモードに応じた硬さに設定される。スポーツモードではボディコントロールは引き締まるが、かなり快適方向に味付けされたDS7クロスバックを、積極的に運転したいと思えるほどの変化は起きない。コンフォートモードがDS7には合っているように思うが、期待したほどの快適性は備えていないといえるだろう。

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

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