ロードテスト シトロエンC5エアクロス ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2019.02.23 16:50  更新 : 2021.03.05 21:42

シトロエンとしては大型で、気取りのないファミリーカーだったC5。その名が、SUVとして再出発を図ります。果たしてそれは賢明な判断か、それとも流行に乗った妥協に過ぎないのか。それを見極めたかったのですが、走らせてみたらクルマとしての根本的な部分に、もっと重要な問題点が見つかりました。

もくじ

はじめに
意匠と技術
内装
走り
使い勝手
乗り味
購入と維持
スペック
結論

はじめに

ライバル勢にだいぶ遅れをとったが、ようやくシトロエンも、大きな括りで言えばファミリーカーに分類できるようなSUVを、欧州市場へ投入した。

SUV系モデルをエアクロスと銘打ったサブブランドは、2011年のC4エアクロスで始まった。英国未導入のそれは、三菱RVRをベースとしたモデルだ。それに続いた2015年公開のエアクロス・コンセプトは、ピラーレスの観音開きドアが特徴的。2017年には、独自開発車であるC3エアクロスが登場した。

それに連なる新顔が、今回のテスト対象であるC5エアクロス。C5とはいうものの、全長は4.5mジャストで、フォルクスワーゲンティグアンマツダCX-5と競合するCセグメント相当の5座SUVだ。中国で先行生産・販売されていたこれが、いよいよ欧州でリリースされたのである。

シトロエンが、三菱のプラットフォームを借りてSUVづくりを模索する段階は終わった。いま知りたいのは、彼らが自前のプラットフォームを用い、白紙から開発したファミリーサイズのSUVが、クラス基準とどれほど異なる個性を示せるのかということだ。そう、われわれがシトロエンに期待するのは、ライバルたちと異なること、に他ならない。そしてここ数年、その希望はさまざまなかたちで叶えられてきた。

このクルマはプジョー3008の兄弟分だが、だからと言って個性的でないということにはならない。快適性と実用性こそ強みの核になるとみなし、シートの設計からサスペンションまでを刷新。荷室容量は通常時で600ℓ近く、後席は3座独立でスライドとリクライニングが可能だ。

現時点のエンジンは3気筒と4気筒のガソリン、4気筒のディーゼルをラインナップ。2020年には、プラグインハイブリッドが追加される。テスト車には、ディーゼル車の最上級グレードであるブルーHDi 180フレア・プラスを選択した。

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

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