ロードテスト アウディA1 ★★★★★★★☆☆☆

2019.10.14

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

A1 35 TFSIのハンドリングは、いかにもアウディらしいものだ。つまり、同程度の仕様となるポロに比べると機敏で安定しているが、ミニ・クーパーのように活き活きとして反応が早いものではない。

とはいえ、これほどホイールベースが短いクルマとしては、バランスやスタビリティに優れる。おそらく必要以上といえるほど車体の質量をタイトに抑えるダンピングと相まって、高速走行中でも無駄なく方向転換するための基礎となっている。

ミニほど激しくなく、ポロほど退屈ではない。ただし、ステアリングフィールはほぼ皆無だ。
ミニほど激しくなく、ポロほど退屈ではない。ただし、ステアリングフィールはほぼ皆無だ。    MAX EDLESTON

ある程度までは、この資質がパッとしないパワートレインを補ってくれる。それなりに速く走らせても、手に汗握ることも、ドラマティックな展開になることもなくペースを保てる、十分なグリップがあるからだ。

ステアリングは絶望的にフィールが欠落しているが、速さの設定は考え抜かれており、とくに切り始めはその感が強い。これに比べると、ポロは鈍く、ミニは激しすぎるように感じられる。

動きは素晴らしく正確だが、ドライバーへ路面レベルで起きていることを伝えてはくれない。もう少しだけ率直さと操作の手応えが増せば、エネルギッシュな小さいドライバーズカーになり得ただけに、残念に思う。

このシャシーは、手洗い操作にも応えてくれる。アンダーステアにも断固として抗い、コーナーの進入でタイミングよくスロットルを抜けば反応を示してくれる。リアはプジョー208やルノー・ルーテシアの速いバージョンほど動きたがらない感触で、そういうクイックさは見せないものの、正しい挙動を感じさせてくれる点では満足できる。想像したよりは、多少なりともドライバーを熱中させてくれるのだ。

ただし、アウディが自社のユーザーの好みを把握しているのは明らかだ。このクルマはドライバーをそれなりに楽しませてくれるし、4WDは設定されないが、最終的にはスタビリティや信頼できる運動性を重視している。ワイドレシオなトランスミッションもあって、前輪のトラクション限界を超える機会は滅多に訪れないのである。

 
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