ライバルなき孤高のミドシップ トヨタMR2(SW20) 車格、質感ともに高まった2代目

公開 : 2019.11.16 05:50  更新 : 2021.01.28 17:38

AW11こと初代MR2のデビューが話題を集めた理由は、国産の量産スポーツカーとして初めてミドシップ・レイアウトを採用していたからでした。自動車の歴史におけるMR2の存在意義を、振り返りました。

ミドシップは一流の証

text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)

その巨大さゆえ保守的なアプローチが多いと思われているトヨタだが、80年代から90年代は景気に後押しされ、いくつかの意欲的なスポーツモデルを送り出している。

ハイソカーとして一世を風靡したソアラやガルウイングドアのセラ、そして1984年から1989年、1989年から1999年という2世代に渡って作られたMR2等々である。

国産スポーツカー初のミドシップ2シーターとして1984年に登場した初代MR2。ウェッジの効いたシンプルなボディが人気を集めたが、そのドライバビリティはミドシップらしくピーキーだった。
国産スポーツカー初のミドシップ2シーターとして1984年に登場した初代MR2。ウェッジの効いたシンプルなボディが人気を集めたが、そのドライバビリティはミドシップらしくピーキーだった。

AW11こと初代MR2のデビューが話題を集めた理由は、国産の量産スポーツカーとして初めてミドシップ・レイアウトを採用していたからだった。

重量物を車体の中央に集め慣性モーメントを減らすミドシップは、レーシングカーの世界では瞬く間に普及したが、市販車への採用は積極的には行われなかった。

とはいえスーパーカー・ブームを経験したクルマ好きにとってミドシップの人気は絶大だった。

何しろそれは、ランボルギーニカウンタックフェラーリBB、ランチア・ストラトスといった一流のスーパーカーが採用していたレイアウトだったからである。

FF車用の横置きパワートレインをドライバーの背後に移植した2シーターのミドシップ車はヨーロッパの比較的小規模なメーカーによって度々リリースされてきた。

中でも初代MR2に直接的なヒントを与えた1台はフィアットのX1/9であると言われている。

丸みを帯び、大人になった2代目

1989年10月にデビューしたSW20こと2代目トヨタMR2の特徴は、初代に比べ車格がアップしていた点だった。

初代MR2は1.5-1.6Lの4気筒エンジンをはじめとするコンポーネンツをカローラ系から流用していたが、2代目MR2はトヨタ・コロナやトヨタ・セリカをベースとし、2Lエンジンを装備していた。

ひとまわり大型になり、滑らかなボディを纏った2代目MR2。リアタイヤ直前のエアインテークもミドシップらしい処理。これは最終のV型で、可変式の大型リアスポイラーが付いている。
ひとまわり大型になり、滑らかなボディを纏った2代目MR2。リアタイヤ直前のエアインテークもミドシップらしい処理。これは最終のV型で、可変式の大型リアスポイラーが付いている。

またハイパワー版のエンジンがスーパーチャージャーによる過給だった初代に対し、2代目がターボを採用していた点も目新しさと言えた。

2代目のスタイリングは直線的だった初代から一転して丸みを帯び、若干落ち着いた印象を与えるとともに、ひと回りほどのサイズアップも果たしていたのである。

2代目MR2はトヨタのライフサイクルとしては長めといえる10年もの間生産されており、その中で4回のマイナーチェンジが行われている。ファンはそれをI型からV型という5つに分類して呼んでいる。

ボディは標準のクローズドルーフの他に、Tバールーフも用意されており、ルーフ部分に固定された2枚のガラスパネルを外し、それをシートの背後、バルクヘッドの間に収納することでオープンエアドライブを堪能することができたのである。

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