ポルシェ初のEV「タイカン」日本発表 日本価格は未発表 航続距離/サイズ/内装 詳細解説

公開 : 2019.11.20 14:00  更新 : 2021.10.11 09:27

ポルシェタイカンのシャシー

シャシーには、統合されたポルシェ4Dシャシーコントロールを採用している。すべてのシャシーシステムをリアルタイムで分析および同期させる。

この革新的なシステムには、PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメントシステム)電子制御ダンパーコントロールを含む3チャンバーテクノロジーを採用したアダプティブ・エアサス、ポルシェ・トルクベクトリング(PTV)プラスを含むポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロールシステム(PDCC)スポーツを含む、電気機械式ロール制御システムが含まれる。

ポルシェ初のEV、タイカン・シリーズ。
ポルシェ初のEV、タイカン・シリーズ。

2基の電気モーターによる4輪駆動制御は、タイカンの最大265kWの高い回生出力によって、日常の使用時におけるブレーキ操作の約90%は、いわゆるブレーキを作動させることなく電気モーターのみによって可能であるという。

サスペンションのアーム類にはアルミニウムを用いて、フロントはダブルウイッシュボーン、リアはマルチリンクを採用している。後輪操舵の4WSも設定されている。

ポルシェ・タイカンのパワートレイン

タイカンは、前後に2基の電気モーターを搭載し、それぞれが前輪と後輪を駆動する4WDを採用している。バッテリーはリチウムイオンで総容量は最大93kWh。

最高出力/最大トルクは、タイカン4Sが530ps、タイカン・ターボが680ps/86.7kg-m、タイカン・ターボSが761ps/107.1kg-mとなっている。グレード名にターボと付いていてもエンジン車のようにターボチャージャーを装着しているわけではなく、それくらいの加速力を示すということだろう。

タイカン・ターボSの透視図。
タイカン・ターボSの透視図。

トップグレードであるタイカン ターボSは、オーバーブースト出力使用時には0-100km/h加速が2.8秒! タイカン・ターボは3.2秒、タイカン4Sでも4.0秒という超瞬足ぶりだ。

最高速は、4Sが250km/h、ターボとターボSは260km/h。いずれも加速と最高速度に対する高い要求を満たすため、リアアクスルには2速ミッションが備わり、発進時には1速、高速走行時などに2速を使用する。

一充電あたりの航続可能距離は、4Sが407〜463km、ターボが381〜450km、ターボSが388〜412km(いずれもWLTPモード)とされている。

ポルシェ・タイカンの装備

通常のEVは400Vのシステム電圧を採用しているが、タイカンは800Vを採用した。

これにより安定した高性能が保証され、充電時間が大幅に短縮されるとともに、高電圧ケーブルの重量と必要となるスペースが削減される。

ポルシェ・タイカン。
ポルシェ・タイカン。

自宅では最大11kWの交流電源(AC)で充電ができ、路上では、わずか5分で最高100km(WLTP準拠)走行可能なエネルギーを直流(DC)で充電できる。

基本的な安全&快適装備はほとんど標準装備されている。付け加えるなら、その他の安全装備では、フォースリミッター付きシートベルトやサイドインパクトプロテクションシステムといったパッシブセーフティシステムを標準装備。

アクティブセーフティでは、後方から衝突のおそれがある場合に後方のクルマにアクティブに警告するRECAS(リアエンド・コリジョン・アラートシステム)を装備する。

また電動制御されるルーバーのないエアベントが、エアコンシステムの完全自動制御に統合された。オプションのヒートポンプはパワートレインからの廃熱を利用して車内を効率的に暖め、結果として航続距離の増大につなげている。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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