【なぜ?】ダイハツ・タフト、ガラス屋根を強調するワケ 打倒スズキ・ハスラー ファッション重視

公開 : 2020.01.14 16:50  更新 : 2021.10.09 23:55

ダイハツから「TAFT(タフト)コンセプト」が東京オートサロン2020で発表されました。実質的にはタントの派生車ですが、同社はチャレンジである姿勢を強調。ガラス屋根を押しだす理由を探りました。

実質的にタントの派生 あくまでチャレンジ

text:Kenji Momota(桃田健史)

「会場で、そしてネット上で、タフト人気が凄くなるはず」

東京オートサロン2020(2020年1月10~12日:千葉県幕張メッセ)の開幕前、メディア各社はダイハツが世界初公開する、「TAFT(タフト)コンセプト」注目していた。

ダイハツ・タフト・コンセプト
ダイハツ・タフト・コンセプト

2020年央に量産型の発売を前提としたコンセプトモデルである。

予想通り、ダイハツブース中央に飾られたタフトの周辺には、筆者を含めた多くのメディアや一般入場者が詰めかけた。

実車は、ダイハツが事前にウェブサイトで公開した画像のイメージそのもの、といった印象だ。

タフトのボディ寸法は、全長3395mm×全幅1475mm×全高1630mmで、2019年7月にフルモデルチェンジしたタントと全長と全幅はまったく同じ。全高は2WDで比較すると、25mm低い。

実質的に、タフトはタントの派生車なのだが、ダイハツの製品企画関係者は派生車というい言葉を快く受け入れず、あくまでもタフトはダイハツとして新しい領域にチャレンジするクルマという点を強調する。

むろん、タント向けに刷新した新プラットフォーム(車体)であるDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を採用しているのだから、エンジンなどの駆動系を含めて、タントとタフトとの部品共通性は高い。

今回は2WDのターボエンジン車として展示されたタフトだが、タント同様の4WD/ノンターボ車がライナップされる可能性は否定できない。

タフト、なぜガラスルーフを強調するのか?

ダイハツ関係者によると、タフトの本格的な開発が始まったのは、一般的な自動車の開発プロセスを念頭に、いま(2020年)から4年ほど前。

モデル名をタフトでいこうという気持ちは、企画当初から関係者の間で共通認識だったという。

タフトはタフな見た目をしているが、ガラスルーフがあることで、ファッショナブルアイテムであることを強調したいからに他ならない。
タフトはタフな見た目をしているが、ガラスルーフがあることで、ファッショナブルアイテムであることを強調したいからに他ならない。

タフトは70年代に、ダイハツがラダーフレームの本格的四輪駆動車として発売した初代があるが、今回登場した第2世代タフトは、ぱっと見た目はタフなイメージはあるが、あまりにも本格的にタフな使い方は想定していない。

あくまでもファッショナブルアイテムとしての、遊び心をちょっとくすぐる程度のタフなイメージを狙う。

こうした第2世代タフトの価値観を象徴するのがガラスルーフだ。

小型軽量の軽自動車に、ガラスルーフを装着することは、車両の運動性能としてみればけっしてプラス要因とはならない。

もちろん、タフトでガラスルーフはオプション設定となる可能性が高い。とはいえ、新車導入を目指す訴求モデルとして、こうしてガラスルーフの採用し、さらに広報資料内でも大きく取り上げているのは、繰り返すが、タフトがタフな見た目をしているが、ガラスルーフがあることで、ファッショナブルアイテムであることを強調したいからに他ならない。

狙いは、ガチンコライバルであるスズキハスラーとの差別化だ。

はたして、ガラスルーフが打倒ハスラーの決め手となるだろうか?

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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